IBMとモネタゴが提携、貿易金融の重複融資問題に対応

IBMとモネタゴが提携

ブロックチェーン活用の金融テクノロジーソリューションプロバイダーであるモネタゴ(MonetaGo)と、米IBMが提携し、貿易金融(トレード・ファイナンス)領域における重複融資や不正書類などのリスクに対応する取り組みを行うことが10月5日分かった。

モネタゴは今年9月に、ブロックチェーン技術を活用し、貿易金融における重複融資を防ぐためのプラットフォーム「SecureFinancing」を発表している。またこのプラットフォームはSWIFT(国際銀行間通信協会)にて概念実証(PoC)も行われている。

IBMは今年5月より、ドイツ銀行やHSBCらが関わる貿易金融プラットフォーム「we.trade(ウィートレード)」に参画しており、また海運コンテナ業界向けのサプライチェーンプラットフォーム「TradeLens(トレイドレンズ)」をデンマーク拠点の海運コングロマリットであるマースク(Maersk)と共同で開発し、2018年より運用を行っている。なお両プラットフォームともにエンタープライズ向けブロックチェーンである「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)」を元にした「IBM Blockchain Platform」を利用して開発されている。

今回モネタゴとIBMが提携することで「we.trade」および「TradeLens」に対し「SecureFinancing」を統合するとのことだ。まずはASEAN(東南アジア諸国連合)地域から対応を行っていくとしている。

貿易金融領域のブロックチェーンプラットフォームは多く競合が存在しており、「we.trade」の他、三井住友銀行やドイツのコメルツ銀行らが関わる「Marco Polo(マルコポーロ)」、そして9月に本番稼働をした中国のアント・グループ(Ant Group)のソリューション「トラスプル(Trusuple)」などがある。

また海運コンテナ領域のブロックチェーンコンソーシアムにはGlobal Shipping Business Network (GSBN)もある。

関連ニュース

進む貿易金融のデジタル化、BNYメロンが「マルコポーロ」に参加

インドネシア税関税務局がIBMとMaersk(マースク)が開発するブロックチェーンプラットフォームと連携

海運コンテナ主要2社、トレードレンズのブロックチェーンにデータ統合

シンガポール拠点の貿易金融コンソーシアム「コントゥール(Contour)」のブロックチェーンプラットフォームが本番稼働

Marco Poloが切り開く、事業会社のための貿易金融〜山田宗俊(SBI R3 Japan株式会社)金タソム(株式会社三井住友銀行)

参考:モネタゴ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/shilh

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【4/19話題】アプトスラボが金融機関向けプラットフォーム「Aptos Ascend」構築へ、バイナンスが違約金支払いインド再参入かなど

アプトスラボ、マイクロソフト・SKテレコム・ボスコンらと提携。金融機関向けプラットフォーム「Aptos Ascend」構築へ、バイナンス、約3億円の違約金を支払いインド再参入か=報道、バイナンスがドバイでVASPライセンス取得、個人投資家にもサービス提供可能に、バイナンス、トークンローンチプラットフォーム「Megadrop」公開。「BounceBit(BB)」取扱へ、イーサリアムのモバイルOS開発「ethOS」、web3スマホ「ethOS phone」発売開始、米クラーケン、独自開発のセルフカストディウォレット「Kraken Wallet」リリース、OKX、レイヤー2ブロックチェーン「X Layer」ローンチ