BitcoinOSが革新的なメタプロトコル「Charms」をローンチ
ビットコイン(Bitcoin)の機能拡張を手がけるBitcoinOS(BOS)が、ビットコインおよび他のUTXOブロックチェーン上でプログラマブルトークンを実現する革新的なメタプロトコル「Charms(チャームズ)」のローンチを5月22日に発表した。なお同社は併せて、同プロトコルの技術仕様をまとめたホワイトペーパーも公開している。
「Charms」は、ブリッジやカストディアン(保管者)を必要とせずに、ビットコイン上でネイティブにプログラム可能なトークンを実現するために設計されたプロトコルだ。このプロトコルにより、開発者はビットコイン上で直接分散型アプリケーション(DApp)やスマート資産を作成でき、カルダノ(Cardano)、ドージコイン(Dogecoin)、ライトコイン(Litecoin)などのUTXOベースのチェーン間でのシームレスなトークン移転を、セキュリティとプログラマビリティを維持しつつ実現する。
同プロトコルの最大の特徴は、再帰的なzkVM(Zero Knowledge Virtual Machine)証明を活用したクライアントサイド検証機能だ。これにより、ユーザーは中央集権的なインデクサーに頼ることなく独立して資産の所有権を検証できるようになる。また「Charms」のトランザクションは高度なロジックと暗号化証明を組み込み、従来の仮想通貨取引における信頼性の問題を解決するという。
「Charms」で発行されるトークンは「エンチャント(魔法をかけられた)」されたビットコインユニットとして機能するとのこと。各ビットコイントランザクション(UTXO)がキャンバスとなり、ユーザーはそれをプログラムし、移動させ、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof)を使用してセキュアかつプライベートに動作を証明できるという。この技術により、代替可能トークン(FT)、非代替可能トークン(NFT)、レンディングプロトコル、分散型取引所(DEX)など、これまでイーサリアム(Ethereum)などの他チェーンでしか実現できなかったWeb3機能をビットコイン上で直接構築することが可能になるとのことだ。
特に注目すべきは「ビーミング(beaming)」と呼ばれる革新的な機能だ。これは従来のブリッジに代わる新しい手法で、トークンをチェーン間で直接転送することを可能にする。実際に同社は先日、「Charms」トークンをビットコインからカルダノへブリッジを使用せずに直接送信するデモンストレーションを成功させた。この技術により、従来のクロスチェーンブリッジが抱えるセキュリティリスクを大幅に軽減できるとしている。
「Charms」の実用例として、ビットコインをプログラマブル形式にラップした「xBTC」トークンの開発が挙げられている。これはイーサリアムユーザーがETHをwETHにラップする仕組みと類似しており、ビットコイン保有者が分散型金融(DeFi)アプリケーションに参加できるようになる。結果として保有者は、クロスチェーンレンディングプールでビットコインの貸し出しや利回りが得られるほか、ビットコインエコシステムから離れることなくビットコイン担保ステーブルコインなどの新しい金融商品を利用できるという。
「Charms」はビットコインの先駆的なメタプロトコルであるオーディナルズ(Ordinals)やルーンズ(Runes)、カルダノのEUTXO(Extended UTXO)モデルに触発されて開発された。またJavaScriptやRustなどの一般的なプログラミング言語での開発が可能だ。
今後の開発計画として、「Charms」チームはアプリケーション開発者の参入障壁を下げるため、現在のRustに加えてWebAssembly(Wasm)をバイナリ形式として採用することを検討している。さらに、カルダノのネイティブトークンとの統合を完了し、ライトコインやドージコインなど他のUTXOチェーンへの展開も予定している。
BitcoinOSの共同創設者エダン・ヤゴ(Edan Yago)氏は「これはラップトークンの時代の終わりであり、ビットコインが本格的にプログラマブルWeb3経済に統合される新時代の始まりだ」とコメントしている。
— Charms (@CharmsDev) May 22, 2025
画像:PIXTA
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