ヴィタリックがイーサリアムの今後のアップグレードに言及、「Dencun」アップグレード経て

ヴィタリックがイーサリアムの次期アップグレードに言及

イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、分散型SNSの「ワープキャスト(Warpcast)」にてイーサリアムの今後のアップグレードについて3月13日に言及した。

ヴィタリックは、「次のマイルストーンは、『ヴァークルツリー(verkle trees)』と『履歴の失効(history expiry)』になる可能性があります」と語った。

これらは、それぞれイーサリアムが今後予定している大型アップグレードの「ザ・ヴァージ(The Verge)」および「ザ・パージ(The Purge)」に当たるアップグレードで、共にイーサリアムのノードに対するハードウェア要求の削減を目的にしたものだ。

「ヴァークルツリー」の実装は、イーサリアムのチェーンの状態を保存する形式を変更するもので、現在よりも高い効率でのデータの運用および保存が可能になるとのこと。

また「履歴の失効」実装は、ノードが保存する必要のあるデータ量を減らし必要なストレージを削減するというもので、一定期間内を過ぎた履歴を削除可能なるためバリデーターの負担が減るという。

イーサリアムは日本時間で3月13日23:00頃に到達した「エポック269568」にて、大型アップグレード「デンクン(Dencun)」が実装された。

「デンクン」では、EIP-4844で定義されたイーサリアムのノードが一時的にオフチェーンデータにアクセス可能になる技術「プロトダンクシャーディング」が導入された。

同技術によりトランザクション料金の削減やスケーラビリティが大幅改善し、レイヤー2ネットワークがより低コストでトランザクションを発行可能になった。

イーサリアムの「実行層(EL:Execution Layer)」に関わる開発者による定例会議「Execution Layer Meeting」にて、すでに今後のアップグレードに関する議論が行われており、次期アップグレードはプラハ(Prague)アップグレードとエレクトラ(Electra)アップグレードを合わせた「ペクトラ(Pectra)」アップグレードと命名されている。

この「ペクトラ」アップグレードでは、ノードオペレータが保存する必要があった大量のステートデータを削減することを可能にするデータ構造である「ヴァークルツリー(Verkle Trees)」の採用を目指し、注力することに全員が同意している。

「ヴァークルツリー」の実装は容易ではなく、実際に次期アップグレードが「ヴァークルツリー」の実装を行うものになれば、1年から2年の間はそのほかの新機能がイーサリアムに実装されないことも考えられるとのことだ。

関連ニュース

参考:warpcast
images:Neweconomy

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【12/15話題】リップルやサークルらが連邦信託銀行の条件付承認、SECの個人投資家向け暗号資産カストディ解説資料など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した