ヴィタリック、「zkEVM」をイーサリアムに実装する考えをブログで発表

ヴィタリックがイーサリアムに「zkEVM」実装を検討

イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、イーサリアムのプロトコルに「zkEVM」を実装する考えを自身のブログにて明らかにした。

なおこの投稿は12月13日に「What might an “enshrined ZK-EVM” look like?:プロトコルに標準実装されたzk-EVMはどのようなものでしょう」というタイトルで投稿された。

「zkEVM」はゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を活用して、イーサリアムの仮想マシンであるEVM(イーサリアム仮想マシン)に代わってコントラクトやブロックチェーン内のステート(状態)の変化を計算する仮想マシンのこと。

「zkEVM」はロールアップを利用したL2ブロックチェーンに比べ、ファイナリティまでの速度やセキュリティ、プライバシー、プログラマビリティ、スケーラビリティなどの点で優れており、「zkSync Era」や「Polygon zkEVM」といったブロックチェーンで採用されている。

今回のヴィタリックの投稿によると、現状の「zkEVM」は、メインネットで稼働しているEVMに環境を揃えるため、EVMが更新されるたびにガバナンスなどを行った上でアップグレードする必要がある。そのためコストが高いことや、セキュリティ面でのリスクを抱えざるを得ないという課題があるという。

そのため同氏はイーサリアムのプロトコルにネイティブで「zkEVM」を実装し、ロールアップ型のL2ブロックチェーンから実行する方法や、そのメリットなどをブログにて述べている。

また「zkEVM」の開発を独自に進めていたL2ブロックチェーンチームに対しては、プロトコルで標準実装された場合にもこれまでと同じようにL2として稼働していくことになるという見方を示している。

その理由としてL2ではイーサリアムが実装しない要素を組み込むことで、高速な事前承認やMEVの緩和、EVMの拡張ができること、ユーザーや開発者に対する利便性が高いことなどが挙げられている。

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参考;ヴィタリックブログ
images:iStocks/olegback・artsstock

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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