スタークウェア開発のプログラミング言語「Cairo」、最新版がオープンソースに

「Cairo」言語の最新版がオープンソースに

スタークウェア(Starkware)が、自社で開発したプログラム言語「Cairo」の最新版「Cairo1.0」をオープンソースで公開したことを11月25日に発表した。

スタークウェアは、zkRollup(zkロールアップ)と呼ばれるゼロ知識証明の技術を利用したイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「スタークネット(StarkNet)」を開発・提供する企業。

今回スタークウェアが公開した「Cairo」は、2020年にスタークウェアによって開発されたプログラミング言語であり、現在アバランチ(Avalanche/AVAX)などの複数のブロックチェーンで用いられている言語「Rust」に非常に似た設計となっているとのこと。そのため習得するために費やす時間が少なくて済むという特徴があるという。

また「Cairo」は、オフチェーンで計算作業を行うことで処理速度を向上させており、zkRollupの環境では複雑になりやすい計算をより高速で行うことが出来ることも特徴の一つとして挙げられている。

これまで「Cairo」の開発は公開されていないリポジトリで進められていたが、今回リリースされる最新版からはパブリックリポジトリに移行されることになった。これはスタークウェアの目指すスタークネットの完全なオープンソース化への第一歩になるという。

なおスタークウェアによると、現在は「Cairo」言語で書かれたプログラムをコンパイルして実行することは可能であるものの、スタークネットでのコントラクト開発はまだサポートされていないことに注意が必要であるとしている。

しかし今後数週間のうちにスタークネットでのコントラクト開発に必要な機能が追加されることも発表しており、来年の第一四半期には完全にサポートする予定だという。

なおスタークウェアは11月10日に、完全に独立した非営利団体の「スタークネット財団(StarkNet Foundation)」を設立したことを発表しており、コミュニティ育成や教育、分散化に向けたネットワークの継続的な開発と拡大に着手していくとしている。

関連ニュース

イーサリアムL2開発「StarkWare」、「スタークネット財団」正式発足

コンセンシスとスタークウェア提携、メタマスク等に「ZK-Rollups」提供へ

イーサリアムL2スケーリングソリューションを開発するスタークウェア(StarkWare)が7,500万ドル調達

イーサリアム、ステークされたETHの引き出し機能搭載の開発者向けネットワークリリース

ゼロ知識証明の「StarkNet」、独自トークン「STRK」メインネット公開

参考:スタークウェア
デザイン:一本寿和
images:iStocks/dalebor

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

カルシ、米国向けにセイネイティブの「SEI」と「USDC」入出金に対応

米予測市場プラットフォームのカルシ(Kalshi)で、レイヤー1ブロックチェーン「セイ(Sei)」のネイティブトークンSEIおよび同ネットワーク上の米ドル建てステーブルコインUSDCの入出金が可能になり、同資産を用いたイベント契約取引の資金移動ができるようになった。Xより12月3日に発表されている

シタデル・セキュリティーズ、トークン化証券とDeFiに取引所・証券会社規制の適用を提言。業界側から反発の声も

米大手マーケットメイカーのシタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)が、トークン化された米国株式を取り扱うDeFi(分散型金融)プロトコルに対しても、取引所およびブローカー・ディーラーとしての規制を適用すべきだとする意見書を米証券取引委員会(SEC)に12月2日に提出した