アップビット運営元ドゥナム、ネイバー傘下入りへ。統合後にナスダック上場を検討か=報道

ネイバーとドゥナが包括的株式交換で統合へ

ネイバーファイナンシャル(Naver Financial)と暗号資産(仮想通貨)取引所アップビット(Upbit)運営会社ドゥナム(Dunamu)が、包括的株式交換を通じた統合後に米ナスダック上場を目指す方針で協議していると韓国の地元紙「ソウル経済新聞」が11月24日に報じた。

報道によれば、両社は11月26日に取締役会を開き、株式交換の最終案を決議する予定だ。交換比率はネイバーファイナンシャル対ドゥナムが1対3.3〜3.4となる見通しで、当初の想定より引き上げられる方向だという。

株式交換が実施されれば、ドゥナムはネイバーファイナンシャルの100%子会社となり、アップビットはネイバーの金融事業領域に組み込まれる見通しだ。交換後は両社の株主がネイバーファイナンシャルの株主となり、統合後の企業価値を共有する形となる。

ドゥナムは2024年に約1兆1,863億ウォン(約1,263億円)の営業利益を計上しており、韓国の暗号資産市場で圧倒的なシェアを持つ。一方、ネイバーファイナンシャルの営業利益は約1,035億ウォン(約110億円)にとどまり、収益規模に大きな差があることから、交換比率に対するドゥナム側株主の不満も一部で指摘されている。

一方で、ネイバーグループの決済網およびAI戦略と、アップビットを核とする暗号資産流通インフラの統合により、フィンテックと暗号資産を横断したサービス展開が進むとの見方もある。韓国ではウォン建てステーブルコインの制度化が議論されており、両社統合により同領域での競争力が高まるとの指摘もある。

報道ではさらに、株式交換完了後、一定期間内に米ナスダック市場への上場手続きを進めることでも両社が合意したという。今回の取締役会議案には上場に関する具体的手続きは含まれないものの、海外市場で企業価値を正当に評価してもらう狙いがあるとされる。

なおドゥナムは今年9月、独自ブロックチェーン「ギワ(Giwa)」のテストネットを公開している。ギワは、OPスタック(OP Stack)を基盤に1秒ブロック生成と低コストを特徴とするイーサリアム(Ethereum)レイヤー2。同社はギワについてKYC・AML対応を強化した「ギワウォレット」と併せて、金融向けの設計であるとしている。

参考:ソウル経済新聞
画像:PIXTA

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