米リップル、400億ドルの評価額で5億ドル調達

リップルが5億ドル調達

米リップル(Ripple)が、400億ドル(約6.1兆円)の評価額で5億ドル(約769億円)の戦略的投資を受けたことを11月5日に発表した。

この投資ラウンドは、フォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group)の関連会社、シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)の関連会社、パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)、ブレバン・ハワード(Brevan Howard)、マーシャル・ウェイス(Marshall Wace)が運用する各ファンドが共同で主導したとのことだ。

リップルは、直近2年あまりでM&Aを6件(うち2件は10億ドル超)完了し、決済・カストディ・ステーブルコインの強化に加えて、プライムブローカー業務や財務管理分野へ事業を拡大した。決済は急速に伸長しており、国際決済ソリューション「リップルペイメンツ(Ripple Payments)」の累計取引額は950億ドル超。75の規制ライセンスを保有し、顧客資金の代行移動によって仲介を省き、流動性管理やオン・オフランプを簡素化している。

またリップルは今年、ステーブルコイン基盤のレイル(Rail)を買収し、リップルペイメンツに独自ステーブルコイン「リップルUSD(RLUSD)」と独自暗号資産(仮想通貨)「エックスアールピー(XRP)」を活用したフルサービスのクロスボーダー機能を実装した。

また米国による米ドルステーブルコインの規制を明確にする「ジーニアス(GENIUS)法」が成立し、機関投資家の財務決済・担保用途で信頼性の高いステーブルコイン需要が高まる中、リップルは10月にトレジャリーマネジメント会社のジートレジャリー(GTreasury)を買収した。同社はフォーチュン500企業向けに、24時間365日の資金移動や遊休資金の有効活用を支える数兆ドル規模の取引を運用している。

さらにRLUSDは、昨年12月のローンチから1年足らずで時価総額10億ドルを突破。また10月には機関投資家向けプライムブローカーのヒドゥン・ロード(Hidden Road、現Ripple Prime)の買収も完了し、同プラットフォームでは既にRLUSDが担保として活用されている。なお今年4月の買収発表後は顧客担保が倍増、日次取引件数は6,000万件超、事業規模は3倍に拡大したとのことだ。 

参考:リップル
画像:iStocks/ivanmollov

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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