イーサL2のパーペチュアルDEX「Lighter」がパブリックメインネットをローンチ、8ヶ月のテスト経て

ライターがメインネットローンチ

イーサリアム(Ethereum)レイヤー2のパーペチュアル(無期限先物)DEX(分散型取引所)「ライター(Lighter)」が、約8ヶ月間のプライベートベータテストを経て、パブリックメインネットを10月2日にローンチした。

ライターは、パーペチュアル取引に特化したゼロ知識証明ロールアップ(ZK-Rollup)採用のL2ネットワークとして構築されている。中央集権的なシーケンサーが注文をバッチ処理するが、価格優先順位マッチング、清算、ファンディングレート、リスクチェックなどの状態遷移は、カスタムゼロ知識証明回路によって検証される。またユーザーの資産はイーサリアムのスマートコントラクトで管理され、正規の状態ルートを追跡し、証明がレイヤー1(イーサリアム)で検証された後にのみ状態を更新する仕組みだ。

もしシーケンサーが停止または検閲を行った場合、ユーザーはオンチェーンで優先オペレーションを送信するか、イーサリアムのデータに依存する緊急「デザートモード(Desert Mode)」を通じて資産の引き出しが可能だ。

このセキュリティ体制は、独自のバリデータセットで保護されたレイヤー1で稼働する「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」や、BNBチェーン(BNB Chain)上でスマートコントラクトとして動作する「アスター(Aster)」とは対照的で、「ライター」は中央集権型に近いパフォーマンスを実現しながら、決済と最終性をイーサリアムに固定し、公平性をゼロ知識証明で保証することを訴求している。

また手数料体系においてもライターは、独自の路線を取っている。フロントエンドを使用する個人トレーダーは取引手数料が無料である一方、APIや高頻度取引には手数料が課される。さらにチームは、ウォッシュトレードやシビル攻撃を抑止するための自動ルールを導入しており、ポイント獲得目的の行動が支配的にならないよう試みているという。

プライベートベータ期間中、ライターの利用は約18万8,000のユニークアカウントと約5万の日次アクティブユーザーに達したとのことだ。パブリックローンチに伴い、預け入れ上限は撤廃され、参加に紹介コードは不要になった。ただし招待プログラムは継続しており、ポイントやその他のインセンティブを通じてトレーダーを招待する仕組みが維持されている。

パブリックローンチとともに、ライターは2025年末まで実施予定のポイントプログラムのシーズン2を開始した。今後数日の間に、このフェーズでのポイント獲得方法の詳細がコミュニティで公開される予定だ。市場観測者はこれをトークン発行の前兆と読んでいるが、プロジェクトはまだトークンの詳細を発表していない。

今回のローンチは、イーサリアム上で構築を行うアイゲンレイヤー(Eigenlayer)の創業者スリーラム・カンナン(Sreeram Kannan)氏やレイヤーゼロ(LayerZero)の創業者ブライアン・ペレグリーノ(Bryan Pellegrino)氏を含む複数の著名な創業者によって支持された。

チームは、プライベートベータ開始時の100人のトレーダーから始めた時と同様に、取引体験とカスタマーサポートに注力し続けるとしている。また生成された手数料とそれがLLP保有者、プロトコル財務、その他のメカニズムにどのように配分されるかについて、今後より多くのデータを公開する予定とのことだ。 

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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