マントルが「OP Succinct」へのメインネット移行完了、ZKロールアップでTVL世界最大に

MantleがOP Succinctに移行完了

レイヤー2(L2)ブロックチェーン「マントル(Mantle)」が、仮想マシン「OPサクシンクト(OP Succinct)」へのメインネット移行完了を9月16日に発表した。

この移行によりマントルは、従来のオプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollup)からゼロ知識証明(zero-knowledge proof:ZK)活用のZKロールアップを採用したチェーンへと進化を遂げた。またマントルはTVL(総預かり資産額)20億ドル超を誇るため、今回の移行により、ZKロールアップ採用チェーンでTVLは世界最大になったとのことだ。

今回のアップグレードによりマントルは、機関投資家が求めるレベルの高速ファイナリティを実現し、従来の7日間の出金待機期間を1時間のファイナリティと6時間の出金期間に大幅短縮した。

また「サクシンクト・プルーバー・ネットワーク(Succinct Prover Network)」による証明により、1トランザクション当たりの証明コストは0.002ドル程度まで削減できるとのこと。そのためエンドユーザーはZK技術の恩恵を高額な手数料負担なしで享受できるようになるとのことだ。

マントルは、独自版に再構築したOPスタック(OP Stack)で構築されている。これはマントルが想定する要件での稼働にはカスタムガストークンやEigenDAサポートなど、独自の実装が必要だったためだ。

従来のzkEVMソリューションではゼロから開発したのZK回路が必要で構築・保守が困難だった。しかしOPサクシンクトは、OPスタックを採用するブロックチェーン向けに、現在最速のzkVMの一つであるRust zkVMの「SP1」を用いて構築されているため、マントルは製品要件と市場投入目標を満たすカスタム状態遷移関数を作成できたとのこと。

またOPサクシンクトは、イーサリアム(Ethereum)と完全なる同等性を持つ仮想マシンである「タイプ1 zkEVM」である。そのためアプリケーション開発者とエンドユーザーはアプリケーションのコードに変更を加えることなく、シームレスに今回の移行ができたとのことだ。

参考:マントルホワイトペーパー
画像:iStocks/Jian-Fan

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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