カルダノ、1億ドル相当の「ADA」投資を提案、DeFiエコシステム強化に向け

カルダノ創設者が財団の保有資産を活用したDeFiエコシステム支援案を検討中

カルダノ(Cardano)の創設者であるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏が、カルダノ財団(Cardano Foundation)の保有するADAトークンのうち1億ドル相当をエコシステムのネイティブDeFi(分散型金融)経済の支援に投資するアイデアを6月13日に提案した。なおこの非公式な計画は現在検討段階にあるという。

この投資計画によると、財団はビットコインやカルダノネイティブのステーブルコインであるUSDM、USDA、IUSDなどの資産を購入する予定だ。ホスキンソン氏は最近のライブストリームで、このアイデアは現在カルダノ財団の上級幹部やホスキンソンファミリーオフィスの最高投資責任者であるダン・シングルマン(Dan Singleman)氏を含むコミュニティメンバーによって検討されていると述べた。

同氏は、「われわれはこれを検討し、カルダノエコシステムの多くのDeFiアプリケーションと連携して実用性や準備状況について議論する」と語った。このライブストリームは、以前議論されたこのような動きがADAの価格に悪影響を与える可能性があるという批判に対応するために収録されたという。

ホスキンソン氏は「ツイッター上で1億ドル相当のADAの売却が価格にとって破滅的で暴落を引き起こすなどと口走っている人が多い」と述べ、批判に反論した。同氏は「カルダノには多くの欠点があるが、流動性や取引所上場、トレーディングはその一つではない」と主張した。

また同氏は、毎日数億ドル相当のADAが取引されており、TWAP(時間加重平均価格)やOTC(店頭取引)などのツールを通じて30日から90日の期間でこの規模の売却を吸収するのに十分な市場の深さがあると論じた。暗号資産財団が自らのエコシステムに投資や支援を行うことは珍しくなく、例えばイーサリアム財団の主要目標の一つは助成金やハッカソンを通じて開発者を支援することだという。

ホスキンソン氏によると、このアイデアはまだ公開されていない40ページの文書に概説されており、ステーブルコイン発行量の総ロック価値に対する比率を30〜40%程度まで引き上げることを目指している。これは「DeFiエコシステムで期待されるものにより近く」、カルダノネイティブのステーブルコインが取引所に上場され他の場所で採用される可能性を改善するという。

さらにホスキンソン氏は、「われわれはエコシステムとして自分たちに投資する意欲を持たなければならない」とし、「われわれが財団の資産を展開する意欲がないのに、ベンチャーキャピタリストにカルダノにたくさんのお金を投入すべきだと言ったり、外部の人々にADAを買うべきだと言ったりすることはできない」と語っている。 

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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