カルダノ創設者、3700万ウォレットに「Midnight」トークン配布へ

カルダノ創設者が大規模エアドロップを計画

カルダノ(Cardano)の創設者チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏が、8つの異なるブロックチェーン上の約3700万ウォレットに向けて「Midnight(ミッドナイト)」のトークンを配布する「Glacier Drop(グレイシアドロップ)」計画の詳細を5月15日に発表した。

なお、この計画は暗号資産(仮想通貨)業界の協力体制構築を目指したもの。コインデスク(CoinDesk)開催のカンファレンス「Consensus 2025」で発表されている。

「Glacier Drop」では、カルダノのプライバシー重視サイドチェーン「Midnight」の「NIGHT」ガバナンストークンと「DUST」プライバシー取引トークンが配布される予定とのこと。なおこのエアドロップは一般ユーザーのみを対象とし、ベンチャーキャピタルや初期投資家への割り当てを完全に排除している。

ホスキンソン氏はステージ上で、「毎回Consensusで新しいトークンが登場しそれぞれが『私のものはあなたのものより優れている』と言い回っている」と述べ、現在の暗号資産業界の競争的な状況を「ナッシュ均衡は協力的ではなく競争的になっている」と表現した。

また同氏は、「Midnight」のトークン発行に関心を示したベンチャーキャピタルを一蹴し、「あなたのポンジ(詐欺的投資スキーム)に時間を割く余裕はない」と伝え、代わりに「原則に基づいて」トークンを無償配布する決断をしたという。

「Glacier Drop」受取者は、配布されたトークンを自由に保持、取引、または放棄ができるとのことだ。

この配布計画は、ホスキンソン氏が提唱する「協調的経済」というコンセプトの一環であり、「Midnight」の新経済モデルでは、異なるブロックチェーンネットワークの開発者がシームレスにハイブリッド分散型アプリケーションを構築できるようになるという。

具体的には、イーサリアム(Ethereum)開発者はETHで、ソラナ(Solana)開発者はSOLで、ビットコイン(Bitcoin)開発者はBTCで開発にかかる手数料を支払うことが可能になるとのことだ。また、異なるチェーンのバリデーターが協力してネットワークを維持し、所属するブロックチェーンに関係なく報酬を得られるという。

なお「Midnight」は現在テストネット段階にあり、メインネットローンチは2025年後半を予定しているとのことだ。ホスキンソン氏は「これは今、最も楽しんでいるプロジェクトです。なぜなら、このプロジェクトでは皆と友達になれるからです」と述べている。

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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