Ant Internationalがステーブルコイン発行者ライセンス申請へ
アリペイ(Alipay)を運営するアントインターナショナル(Ant International)が、香港、シンガポール、ルクセンブルクでステーブルコイン発行者ライセンスの申請を予定しているようだ。米メディア「ブルームバーグ(Bloomberg)」が事情に詳しい関係者の話として6月12日に報じた。
関係者によるとこの動きは、アントインターナショナルのクロスボーダー決済および、資金管理サービスを支えるブロックチェーン事業の運営強化を目的としているとのこと。またライセンスは、8月に香港で施行されるステーブルコイン規制制度の開始後に、香港金融管理局(HKMA)へ申請される予定だという。
なお香港に加え、シンガポールやルクセンブルクでもライセンス申請を行う予定とされているが、具体的な申請時期や詳細については明らかにされていない。
報道によるとアントインターナショナルは昨年、世界全体で1兆ドル(約143兆円)を超える取引を処理したという。そのうち約3分の1は、ブロックチェーン基盤のホエール(Whale)プラットフォームを通じて処理されたとのこと。
香港の立法機関は今年5月21日、法定通貨に連動するステーブルコインの発行者を対象としたライセンス制度を導入する法案を可決した。これにより香港でステーブルコインを発行する事業者、または香港ドルを裏付け資産とするステーブルコインを香港内外で発行する事業者は、HKMAからライセンスを取得することが義務付けられる。
同法案には、準備資産の管理や償還手続き、リスク管理などに関する要件も盛り込まれており、一般市民および投資家の保護を目的としている。
参考:ブルームバーグ
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