DeFi Dev CorpがLST採用
暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)に特化した財務戦略を採用し、不動産業界向けのAIプラットフォームも展開するディファイデブコープ(DeFi Development Corporation:DeFi Dev Corp)が、財務戦略の一環としてリキッドステーキングトークン(LST)を採用したと5月28日に発表した。
ディファイデブコープは、同社が保有するSOLの一部を、LST「dfdvSOL」に投資するとのこと。「dfdvSOL」は、ディファイデブコープが運営するバリデータにステーキングされたSOLを裏付けとしたリキッドステーキングトークンであるという。
これによりディファイデブコープは、ソラナ上でLSTを保有する初の上場企業となったとのことだ。
なお「dfdvSOL」は、ソラナブロックチェーンにおけるLSTソリューションプロバイダーであるサンクタム(Sanctum)が開発したプロトコルインフラを基盤として構築されているとのこと。
ディファイデブコープは「dfdvSOL」の導入により、同社のバリデータ運用および財務管理の強化が期待され、独自のパフォーマンス指標であるSOLパーシェア(SOL Per Share:SPS)の成長を促進すると説明している。
SPSは、ディファイデブコープのバランスシート上に記載されたSOLの総価値を、発行済みの普通株式数で割って算出される同社独自のパフォーマンス指標とのことだ。
ディファイデブコープは今年4月22日に、8万8,164SOLを財務資産に追加したことを発表。その価値は1,150万ドル(約16億円)に上るとされ、同社のSOL保有額は合計3,440万ドル(約49億円)となった。
なおLSTとは、リキッドステーキングという仕組みによって、ステーキングした際にロックしたトークンの代わりにミント(発行/鋳造)されるトークンだ。
通常ステーキングにおいては、トークンをプロトコルへ預けることにより報酬が得られるが、ステークしたトークンは一定期間ロックされるためすぐには動かせず、またアンステーク(ステーキングの解除)には時間がかかるため、市場全体の流動性を損なう可能性がある。
これに対しリキッドステーキングでは、ロックされた資産の所有権を示すトークン(LST)が発行され、ユーザーはこのLSTを使って取引やDeFiへの活用が可能となる。これにより、ステーキング報酬を得ながらも資産の流動性を維持できる点がリキッドステーキングの大きな特徴となっている。
参考:DeFi Dev Corp
画像:PIXTA