コスモスのInterchain Labsが「Eureka」ローンチ、IBCをイーサリアムに拡張

コスモスが「IBC Eureka」をローンチ

コスモス(Cosmos)エコシステムの開発を主導するインターチェーンラボ(Interchain Labs)が「IBCエウレカ(IBC Eureka)」をローンチし、初めてIBC(ブロックチェーン間通信)プロトコルをイーサリアム(Ethereum)に拡張したと4月10日に発表した。

「IBC Eureka」は包括的な相互運用性ソリューションであり、IBCプロトコルがエコシステム標準から普遍的な相互運用性プロトコルへと進化する最初のステップとなるという。これにより、マルチチェーンアプリのホームとしてコスモスハブ(Cosmos Hub)の役割が強化される。

従来のブリッジは新たな仲介者を導入し、流動性とユーザーを分断する問題があったが、「IBC Eureka」は相互運用性のパラダイムを変更し、リスクを増やすことなくエコシステム間をシームレスに移動できるマルチチェーンアプリの構築を可能にするとのことだ。

ユーザーにとっては、コスモスとイーサリアム間で迅速かつ安全な資産転送を通じて、数百のコスモスアプリやチェーンへのアクセスが容易になる。またアプリチェーンにとっては、最小限のコストとインフラで、イーサリアム上の数十億ドル規模の流動性へのアクセスと最大限のセキュリティが提供される。

初日から「IBC Eureka」をサポートするプロジェクトには、ビットコインサービスプロバイダーの「バビロン(Babylon)」、ビットコインLST(リキッドステーキングトークン)プロジェクトの「ロンバード(Lombard)」や「パンプBTC(PumpBTC)」、「ソルヴプロトコル(Solv Protocol)」などが含まれる。さらに主要DeFiブロックチェーンの「dYdX」、「インジェクティブ(Injective)」、「マントラチェーン(MANTRA Chain)」、「ジーケークラウド(zkCloud)」も近日中に対応予定だ。

また「IBC Eureka」により、すでに可能になっている機能としては、バビロンのビットコインLSTのイーサリアムからコスモスチェーンへの移動、ベイビーパイ(Babypie)ユーザーのmBTCのブリッジ、エリス(Elys)でのイーサリアム資産での取引などがある。利用可能な資産には、LBTC、SolvBTC、SolvBTC.BBN、PumpBTC、stBTC、enzoBTC、mBTC、eBTC、WBTC、WETH、sUSDS、NIL、SEDA、USDTなどが含まれている。

また「IBC Eureka」は、「IBC v2」、マルチチェーンブリッジおよびDEXアグリゲーターの「Skip」、そしてコスモスハブを活用している。「IBC v2」はイーサリアムとの接続を提供し、将来的にはソラナ(Solana)、ベース(Base)、アービトラム(Arbitrum)などのチェーンとの接続も予定している。

コスモスチェーンとしての「IBC Eureka」へのアクセスはパーミッションレスで可能であり、コスモスハブへのIBC接続のみが必要だ。またコスモスハブとイーサリアム間のリレーは現在のところ許可制だが、将来的には開放される予定とのことだ。

今後2週間で「IBC Eureka」の詳細が公開される予定で、4月11日には公式ローンチライブストリーム、4月14日には技術概要ブログの公開、4月14日から25日にかけてコミュニティイベントと各種プロジェクトとのXスペースが予定されている。また4月中に最初の「IBC Eureka」を活用したDeFiプラットフォームも発表される予定だ。 

参考:コスモスブログ
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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