BNB Chain、2025年のロードマップ発表

BNBチェーンの2025年ロードマップが発表

BNBチェーン(BNB Chain)の2025年のロードマップが2月11日に発表された。このロードマップでは、同チェーンの取引速度の向上や、AIを搭載した開発ツールなどの導入を予定していることが明らかになっている。

ロードマップによると、2025年は高いネットワークスループットを維持しながら、ブロック時間を3秒から1秒以下に短縮し、1日あたりのトランザクションを1億件処理できるようにし、これによりトランザクションの待ち時間を短縮することをBNBチェーンでは目指しているという。

2024年にBNBチェーンの「提案者と業者の分離(PBS:Proposer-Builder Separation)」メカニズムに基づく「Megafuel(ユーザーのガス代を代わりに負担する機能)」が導入され、ユーザーはステーブルコインでガスレス取引を行えるようになった。そして今年は、「Megafuel」が共同開発され、EOA(外部所有アカウント)アドレスからのあらゆるタイプのユーザー取引でガスレスを可能にし、ユーザーはステーブルコインや他のタイプのBEP-20トークンを使ってガス料金を支払えるようになるとのこと。個人でも組織でも、特定の取引タイプのスポンサーができるという。

また悪質なMEV(最大抽出可能価値)の排除のために、ブロック投票とブロック伝搬を改善する必要があるが、そのために、バリデータがより良い通信チャネルを導入するという。さらに、悪質なプレイヤーに晒される「mempool」を減らし、トランザクションの流通効率を向上させ、サンドイッチ攻撃(フロントランニングとバックランニングを組み合わせた攻撃)のリスクをさらに軽減するとのこと。

なおMEVとは、ブロックチェーンのマイナーまたはバリデーターがブロックを生成する過程でトランザクションの組み込み、除外、順序の変更を行うことで、通常のブロック報酬やガス報酬とは別で得られる利益のことだ。また「mempool」は、ブロックチェーンのクライアントノードのうち未確定のトランザクションを一時的に保存しておく領域(メモリプール)のことである。

スマートウォレットに関しては、新規ユーザーのオンボーディングを簡素化する、より優れた鍵管理ソリューションである「EIP-7702」を提供するという。またバッチ・トランザクションにより、「最初に承認して次に取引する 」という煩わしさを解消するとのこと。さらに、ユーザーが取引や支出を管理するのを助けるために、ウォレットにネイティブAIエージェントを統合することを目標にしているという。

BNBチェーンは、AIを統合して、ユーザーがブロックチェーンアプリケーションとやり取りできるようになることを目指しており、エージェントによるタスクの自動化や、ユーザーがAIアプリを制御するための分散型ストレージ(BNBグリーンフィールド)の導入、AIトレーニングデータを提供し、収益化するためのDataDAOの開発などを目標にしている。

またBNBチェーンはSDKとAPIの合理化、BNBチェーンAIコードコパイロット、ミームエコシステムといった開発者ツールの最適化と統合を進めていくという。 

参考:BNBチェーン
画像:iStocks/FeelPic

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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