BackpackがFTX EU買収、Q1に欧州市場進出へ

BackpackがFTX EU買収

暗号資産(仮想通貨)ウォレットおよび暗号資産取引所のBackpack(バックパック)が、破綻したFTXの欧州部門であるFTX EUの買収完了を1月7日発表した。

なお今回の買収は、FTX破産裁判所およびキプロス証券取引委員会(CySEC)の承認を得たものであるとのこと。「あたらしい経済」編集部に共有された情報によると、CySECはバックパックに対し、8カ月にわたるデューデリジェンスを経て、買収を承認したとのことだ。

そしてバックパックは今回のFTX EU買収により、2025年第1四半期(1~3月)中に「Backpack EU」をローンチする予定だという。FTX EUは欧州連合(EU)の金融・資本市場に係る包括的な規制「MiFID II」のライセンスを取得しているため、「Backpack EU」はEU全域で唯一、無期限先物を含む暗号資産デリバティブのフル製品の提供が許可された暗号資産取引所になるという。

なお同ライセンスは、ゴールドマン・サックスなどの伝統的な金融企業がEUで保有するものと同じであるとのこと。そのため「Backpack EU」では暗号資産以外の株式、債券、その他の金融資産などの有価証券の取り扱いも可能とのことだ。

またEUでは、昨年12月30日に全面施行された暗号資産の規制枠組み「暗号資産市場規制法(MiCA)」により、無認可の海外取引所が同地域での事業縮小を余儀なくされた。そのため同地域では、規制下の暗号資産デリバティブ取引所は存在していないとバックパックは説明している。

暗号資産取引所Backpack Exchange(バックパックエクスチェンジ)のCEOであるアルマーニ・フェランテ(Armani Ferrante)氏は、「多くの国際的な取引所が欧州連合から撤退する中、MiFID IIのライセンスを取得することは、最高水準の規制基準を満たすという当社の姿勢を示すものであり、透明性が高く、安全で、規制された暗号資産取引を、整備が不十分な欧州市場にもたらすための重要なステップです」とコメントしている。

FTX EUユーザーへの資産返還も担当

なおバックパックの今回の買収は、FTXの破産裁判所が承認した既存のFTX EUの顧客および関連する顧客の残高も取得対象に含まれているとのこと。つまりバックパックは「Backpack EU」を通じて、FTX EUユーザーへ資産返還を行うことが義務付けられた。

裁判所が承認したFTX EUの顧客は、「Backpack EU」が稼働し次第、アカウント作成でき、請求へのアクセスや資産の引き出しが行えるようになるとのこと。

新規ユーザーの登録方法や、FTX EUの顧客が資産にアクセスする方法の詳細については、準備が整い次第発表が行われるとのことだ。

日本市場進出も計画中

バックパックは昨年12月、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)の第二種会員として入会。第二種会員は、「暗号資産交換業者又は暗号資産関連デリバティブ取引業者となるための登録申請中又は登録申請を予定する事業者」また「資金移動業及び電子決済手段等取引業を行おうとする者」となっている。

参考:バックパック
画像:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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