トルネードキャッシュ開発者に5年4カ月の実刑判決、マネーロンダリングの罪で=報道

5年4カ月の実刑判決下る

暗号資産(仮想通貨)ミキサー「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」の共同創業者兼開発者のアレクセイ・ペルツェフ(Alexey Pertsev)氏に5年4カ月の実刑判決が下された。DLニュースをはじめ各社が5月14日報じている。

報道によれば、オランダの裁判所はペルツェフ氏に対し、暗号資産ミキシングサービスを通じて22億ドルのマネーロンダリングを行ったとし、懲役5年4カ月の実刑判決を言い渡したという。

ヘンリーケ・スラー(Henrieke Slaar)判事は、トルネードキャッシュの性質と機能は「犯罪者のためのツール」だとし、犯罪利用者を完全に助長していると判断した。これは、プラットフォームのユーザーを制御できなかったと主張するペルツェフ氏の抗弁を退けた形となった。

それぞれの主張

ペルツェフ氏の弁護側は、スマート・コントラクトのオープンソースかつ自動化された性質により、ユーザーの自由な使用を止めることはできないため、プラットフォームの悪用に対する責任は免責されるべきと主張。また、従来の企業のように一人の人間が責任者を務めることはなく、コントリビューターは分散型の組織として設置されていたと述べている。

検察側は、「トルネードキャッシュは単なるスマートコントラクト」ではなく、「まるで会社のように運営されていた」と指摘。ペルツェフ氏がトルネード・キャッシュが犯罪者に悪用されるのを防ぐための対策を講じなかったと主張している。

裁判所は、ペルツェフ氏が法律や規制を無視したとし、「あなたは理想主義を振りかざし、誰にでも適用される法律や規制を気にせず、手出しができないという気分に浸っていた」と判決文にて述べたという。

なおペルツェフ氏の弁護士は、14日以内に不服申し立てをすることができる。

2022年8月、ペルツェフ氏はオランダ警察によって逮捕された。同氏はマネーロンダリングの容疑に関する審問のため、長く勾留されたが、2023年4月に帰宅が許可され、自宅から裁判を待つことが報じられていた。

なお、DLニュースによればペルツェフ氏は8ヵ月間刑務所に勾留されていたため、その期間は刑期から差し引かれ、服役は4年半となる予定だ。

トルネードキャッシュについて

「トルネードキャッシュ」は、複数ユーザーの暗号資産の取引をミキシングすることで、その取引履歴を匿名化できるサービスだ。

その特性をサイバー犯罪に関与した資産のロンダリングに利用されていることが問題視されていた。昨年3月には、「ラザルス」が「トルネードキャッシュ」を利用してサイバー攻撃で得た資産をミキシングし、当局の追跡を困難にしていた。

これらの事実から昨年8月に米財務省外国資産管理局(OFAC)は「財産および財産上の利益がブロックされている人物である北朝鮮政府に対して、実質的に支援を提供した」として「トルネードキャッシュ」を制裁対象に加えた。

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参考:DL News
images:iStocks/gorodenkoff

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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