米リップルラボ、SEC要求の約20億ドルの罰金に異議申し立て

1000万ドルを超えるべきではない

暗号資産(仮想通貨)XRPで知られる米リップルラボ(Ripple Labs)が、同社に対し約20億ドル(約3027億円)の罰金を科すよう要請している米証券取引委員会(SEC)の申し立てに異議を唱える裁判資料を提出した。4月22日付けの裁判資料にて明らかとなった。

リップルラボは3月、SECが同社に対し20億ドルの罰金を科すようニューヨークの裁判所に要請したことを報告していた。

なお今回の提出書類によれば、SECの要求した実際の罰金内訳は、8億7600万ドルの利益処分、1億9800万ドルの判決前利息、8億7600万ドルの民事罰であり、合計19億5000万ドルだという。

提出書類の中でリップルラボは、「裁判所はSECの差止命令、利益処分、判決前利息の請求を却下し、1000万ドル以下の民事罰を科すべきである」と主張。リップルラボはSECの罰金を「理不尽なもの」だとし、裁判所は1000万ドルを超えない、適正な民事罰を下すべきだと指摘した。

「リップル社は将来的にそのガイダンスを遵守するつもりであり、そうするあらゆる動機がある。SECの強権的な救済要求は、法律にも原則にも根拠がない。当法廷はこれらを全面的に却下すべきである」とリップルラボは主張している。

「SECは、あたかも完全に勝訴し、無謀な行為を証明したかのように振る舞っているがどちらも行っていない。SECはまた、最高裁判所と連邦巡回控訴裁判所の判例によって禁じられている制裁金と、デジタル資産に関する訴訟で他の被告や被申立人から得た金額の20倍を超える罰金も求めている」とリップルラボは指摘している。

またリップルラボは、機関投資家向け販売による収入、支払った所得税、損失額を差し引いた段落で、同社は利益を放棄する必要がないと主張している。

リップル社の最高法務責任者スチュアート・アルデロティ(Stuart Alderoty)氏はXにて、「無謀や不正の申し立て(または調査結果)がなく、重要な問題でリップル社が勝利したこの訴訟におけるSECの要求は、米国内のすべての暗号資産に対するSECの継続的な脅迫のさらなる証明に他ならない」と述べている。

リップル社とSECが長年にわたり繰り広げてきた「リップル裁判」は、昨年7月に判決が出ている。

判決は「リップル社によるXRPの機関投資家向けの販売スキームは『ハウィーテスト』の条件を満たすため未登録証券募集にあたるが、個人向けに販売されるXRPは有価証券ではない」というもの。これはSECの「リップル社がこれらの機関投資家向け販売で約7億2890万ドル(当時約1,003億円)のXRPを販売した」という申し立てを一部認めた形となったが、暗号資産取引所を通じて販売されたXRPは証券にあたらないことを決定づけるものとなったため、業界では「リップル社の勝利」として祝福の声が上がっていた。

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参考:提出書類
images:iStock/gorodenkoff

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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