FTX元CEOのSBF、プロモーターに対する訴訟に協力で投資家と和解=報道

現在進行中の訴訟に協力で

経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換所大手FTXトレーディング創業者サム・バンクマンフリード(Samuel Bankman-Fried:SBF)氏は、FTX破綻をめぐる一連の訴訟において、情報提供する代わりに投資家と和解するという。ブルームバーグが4月20日報じた。

報道によれば、4月20日に米マイアミの連邦裁判所へ提出された和解案にて原告は、SBFがFTXを広告してきた人物(プロモーター)の告発に協力することを求めているという。和解の一部にはSBF氏が、自身の資産と人工知能スタートアップ企業アンソロピック(Anthropic)への投資をについて詳細を記したすべての非公開文書、自身の純資産がマイナスであることを証明する宣誓供述書、そして広範囲に及ぶ民事訴訟の他の被告に関する文書の引き渡しも含まれている。

この和解が成立すれば、原告は現在及び今後SBFに対するすべての申し立てを清算するとのこと。SBF氏はこれに協力することに同意したという。

FTXのプロモーターとして、原告から2022年11月に申し立てを受けた著名人には、NFLのクォーターバックであるトム・ブレイディ(Tom Brady)氏、スーパーモデルのジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)氏、元バスケットボール選手のシャキール・オニール(Shaquille O’Neal)氏など多くの著名人が名を連ねている。なおブルームバーグの報道には名前が挙げられていなかったが、MLBドジャース(当時はエンゼルスに所属)の大谷翔平氏やテニスプレイヤー大坂なおみ氏も申し立てを受けていた。

彼らは取引所の未登録証券の宣伝を行い、経験の浅い投資家らを欺いたして申し立てを受けていた。

裁判書類によれば、今回のプロモーターとの和解金は約130万ドルとのことで、もし原告側が勝訴すれば、原告は多額の賠償金を手にする可能性がある。

またSBFはプロモーターに関する情報の他にも、FTXに投資したベンチャー・キャピタル企業や、同取引所に協力した会計士や弁護士に関するあらゆる情報提供も行うとのことだ。

今年3月、SBFには懲役25年の判決が下された。また同氏には禁錮刑に加え、110億ドルの資産没収も言い渡されている。

FTXは取引所としての再開を断念しており、2022年11月に破産申請した際に暗号資産預金をロックされた顧客への全額返済のため、資産の整理に注力する方向で調整中だ。

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参考:ブルームバーグ
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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