コスモス、「ATOM」の最低インフレ率を0%へ引き下げる提案が否決

ATOMの最低インフレ率を0%にする提案が否決

コスモス(Cosmos)ネットワークの中心となるブロックチェーン「コスモスハブ(Cosmos Hub)」のガバナンスにて、同ブロックチェーンのネイティブトークン「ATOM(アトム)」の年間最低インフレ率を0%に引き下げる提案が1月23日に否決された。

否決された提案は、コスモスハブのコミュニティにて1月9日にガバナンス投票が開始された提案「#868. Decrease InflationMin parameter to 0%」だ。

現在コスモスハブでは、「ATOM」のインフレ率に動的インフレ率を採用しており、インフレ率が7〜10%の間で変動可能に設定されている。今回の提案は、このインフレ率の最低値を0%に引き下げることで「ATOM」の価格下落を防ぐことを目的に行われた。

なおこの提案の背後には、昨年11月に「ATOM」の年間最大インフレ率を20%から10%へ引き下げる提案が承認されたという背景もある。

ガバナンス投票は1月23日まで行われ、終了時点では投票された票のうち25.1%が賛成、48.6%が反対、25.9%が棄権に投じられている。なお残りの票である0.4%は悪意のある提案を取り消すために使用される「拒否」に投じられている。

コスモスでは現在、流通量のうち60%以上の「ATOM」がステーキングされており、投票が開始される前の議論段階でも、今回の提案が既存のステーカーのステーキング意欲を削ぐ恐れがあるとして、十分に注意する必要があるとの意見も出ていた。

また「ATOM」にはガバナンストークンの一面もある。今回の提案で「ATOM」の価格が上昇するという部分では良い反面、不用意に「ATOM」の価格を上げることでガバナンスへの参加に障壁を生み出してしまうため、投票権が富裕層に偏り健全なガバナンスが阻害されてしまう可能性についても述べられている。

なお今回の提案が否決された結果として、コスモスハブでの「ATOM」の年間インフレ率は7〜10%の変動インフレ率のまま維持され運営されていく。

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参考:コスモスハブ投票
images:iStocks/Jian-Fan

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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