クーコイン投資部門がTON財団と提携、助成金提供し成長支援

エコシステム成長支援へ

シンガポールを拠点とする暗号資産(仮想通貨)取引所KuCoin(クーコイン)の投資部門クーコインベンチャーズ(KuCoin Ventures)が、パブリックブロックチェーン「TON(The Open Network)」の開発を支援するTON財団(The TON Foundation)との提携を12月1日発表した。

この提携によりクーコインベンチャーズは、TONブロックチェーンプラットフォームへ助成金を提供するとのこと。

同資金は、決済やGameFi(ゲーミファイ)に焦点を当てた5つのTONベースのミニアプリの開発、TONエコシステムのプロジェクト、研究開発、コミュニティ構築、TONブロックチェーンに関する認知度を高めるためのマーケティングに活用され、フューチャー3キャンパス(Future3 Campus)とTONネットワーク財団が立ち上げたインキュベーションプログラムであるTONブートキャンプ(TON Bootcamp)といったTONエコシステム内で進行中のイニシアチブを支援するとのことだ。

TON財団のアクセラレーター責任者であるイアン・ウィトコップ(Ian W.)氏は「クーコインベンチャーズの取り組みは、誰にとってもよりアクセスしやすく分散化されたデジタルの未来というTONのビジョンに完全に合致している」と述べている。

クーコインのマネージング・ディレクターであるアリシア・カオ(Alicia Kao)氏は「私たちは、TONブロックチェーンがブロックチェーン業界に革命を起こす計り知れない可能性を秘めていると信じており、その成功に貢献することをコミットしている」とし、「私たちは、この提携が取引所とブロックチェーン業界との新たな相乗効果を意味すると信じており、この共同の取り組みが意欲的な模範となり、さらなる同様の事業に拍車がかかることを望む」と述べている。

クーコインについて

クーコインは2022年5月、プレシリーズBラウンドによる約200億円(1.5億ドル)の資金調達を完了し、企業評価額が約1.3兆円(100億ドル)に達している。

調達した資金は、「クーコインの次世代コア取引システムの構築」、「クーコインのグローバルな規制の取り組みのサポート」、「セキュリティとリスク管理システムの強化」に利用する予定とのこと。

また調達した資金を利用してクーコインは、クーコインラボ(KuCoin Labs)やクーコインベンチャーズなどの投資部門を通じ、暗号資産ウォレット、DeFi(分散型金融)、GameFi(ゲーミファイ)、NFTプラットフォームといったweb3における立ち位置を拡大していくとのことであった。

TONについて

TONは、もともとメッセージングサービス「テレグラム(Telegram)」が開発、設計したブロックチェーン。テレグラムは、ICOなどを実施し当時約17億ドルを調達していたが、そのトークン販売が未登録有価証券の販売にあたるとして米国SECに提訴された。その後リブランディングされ、現在はテレグラムは関与せず、TON財団が開発を引き継いでいる。

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参考:クーコイン
images:iStocks/ismagilov

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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