暗号資産取引所ポロニエックスが約190億円のハッキング被害、ジャスティン・サン氏認める

ポロニエックスがハッキング被害受ける

暗号資産(仮想通貨)取引所ポロニエックス(Poloniex)が、大規模なハッキング被害にあった。セキュリティ企業のペックシールド(PeckShield Inc.)をはじめとする複数のブロックチェーンセキュリティ企業が11月10日報告している。

ペックシールドによれば、ポロニエックスのハッキングによる損失は、主に3つのチェーンで1億2500万ドル(約189.6億円)と推定されるという。内訳はETHが5600万ドル(約84.9億円)、TRXが4800万ドル(約72.8億円)、BTCが1800万ドル(約27.3億円)とのことだ。

また、イーサリアムネットワーク用のブロックチェーン・エクスプローラーであるイーサスキャン(Etherscan)を見ると、「Poloniex 4」とタグ付けされたウォレットの1つの取引でハッキングに遭った様子が確認できる。

ポロニエックスのカスタマーサポートのXアカウントでは11月10日「私たちのウォレットはメンテナンスのため無効になっています。ウォレットが再度有効になり次第、このスレッドを更新します」とポストされている。

なお記事執筆時点(2023年11月13日16:00)で、このスレッドは更新されていない。そのためハッキング被害の原因などの詳細は未だ明らかにはなっていない。

ポロニエックスは2014年設立の中央集権型暗号資産取引所だ。中国の暗号資産関連の起業家で、トロン・ブロックチェーン(TRON Blockchain)の創設者であるジャスティン・サン(Justin Sun)氏によって2019年に買収された。

また2022年11月には、暗号資産取引所HTX(旧:フォビ)と戦略的パートナシップを締結している。

今回の事件を受け、サン氏は自身のXにて、事件について調査中であることを報告。「ポロニエックスは健全な財務状況を維持しており、影響を受けた資金を全額返済する予定だ。さらに、これらの資金の回収を促進するために、他の取引所との協力機会を模索している 」と述べている。

サン氏は今年9月にもHTXのハッキング被害を報告。ハッカー攻撃により5000ETH(約800万ドル:約12億円)の損失を被ったが、損失は取引所によってカバーされたと報告していた。

またサン氏はハッカーに盗まれた資金を取り戻すため、ホワイトハッカーに対し、報酬として盗まれた金額の5%にあたる40万ドル(約5,957万円)を提供する意向を発表。サン氏が提示する期間内にハッカーから資金を取り返せた場合、ホワイトハッカーをHTXのセキュリティ・ホワイトハット・アドバイザーとして雇用すると発表していた。

関連ニュース

参考:イーサスキャン
images:iStocks/Panorama-Images

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【9/6話題】テレグラムCEOが逮捕後初の声明、トランプが米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言など(音声ニュース)

テレグラムCEO、逮捕後初の声明発表。同社使命に同意できない国からは撤退の意志も、トランプ、米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言。イーロンマスクと共に米政府財務監査行う姿勢も、スイ(SUI)、機関投資家向け米ドルステーブルコイン「AUSD」利用可能に、モジュラーブロックチェーン「Elixir」、最終テストネット公開、EigenLayer、メジャーアップデート「アイゲンポッドアップグレード」導入、FlowがEVM対応開始、メタマスクでも利用可能に、TONブロックチェーン、総トランザクション数が10億件を突破、半数は3か月、Penpieで27Mドルの不正流出、Pendleは105Mドルの保護に成功

Sponsored

暗号資産決済Mercuryoがマルチチェーンデビットカード提供開始、マスターカードと提携で

暗号資産(仮想通貨)決済プラットフォーム「マーキュリョ(Mercuryo)」が決済大手の米マスターカード(Mastercard)と提携し、ノンカストディアル型のウォレットから暗号資産を直接使えるマルチチェーンデビットカード「スペンド(Spend)」の提供開始を9月5日発表した