暗号資産取引所HTX、ハッキング攻撃受け約12億円失う

「損失は取引所でカバー」

中国の暗号資産(仮想通貨)関連の起業家で、トロン・ブロックチェーン(TRON Blockchain)の創設者あるジャスティン・サン(Justin Sun)氏が、海外暗号資産取引所HTX(旧フォビ)のハッキング被害を報告した。サン氏が自身のX(旧Twitter)にて9月25日ポストしている。

Xによれば、HTXはハッカー攻撃により5000ETH(約800万ドル:約12億円)の損失を被ったという。しかし損失は取引所によってカバーされ、現在のユーザーの預金は安全で、プラットフォームは正常に動作しているとのことだ。

またサン氏はハッカーに盗まれた資金を取り戻すため、ホワイトハッカーに対し、報酬として盗まれた金額の5%にあたる40万ドル(約5,957万円)を提供する意向を発表。ハッカーから資金を取り返せた場合、ホワイトハッカーをHTXのセキュリティ・ホワイトハット・アドバイザーとして雇用するという。

なお7日以内に資金が取り戻せない場合は、ハッカーを訴追するため、法執行当局に情報提供するとのことだ。

セキュリティ会社のサイバーアラート(Cyvers Alerts)によれば、このハッキングは9月24日に行われたようだ。

サイバーアラートが9月25日の9時35分(米国東部時間)にこのハッキング攻撃に関するポストをXで行い、ハッキングが起きたことが明らかとなった。サイバーアラートはハッカーアドレスも公開してる。

HTXは9月13日にフォビがリブランディングした暗号資産取引所だ。

発表によれば、「HTX」の「H」はHuobi(フォビ)、「T」はTRON(トロン)、「X」は取引所を表しているという。

なおフォビは以前にも8月5日から6日の期間で86400万ドル(約128億円)の資金を流出させたことが明らかとなっている。

また8月6日のDeFi市場データのウェブサイトであるディファイラマ(DefiLlama)のデータによると、フォビのウォレットはUSDTとUSDCを合わせて7200万ドル(約106億円)しか保有していなかったことが明らかとなっており、フォビは資金不足の問題にも直面している可能性があることも各方面から指摘されていた。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/M-A-U

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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