チェーンリンク、分散型オラクル「Chainlink Data Streams」をアービトラムでリリース

Chainlinkが「Data Streams」をArbitrum上で正式リリース

ブロックチェーンデータプロバイダーのチェーンリンク(Chainlink)が、分散型金融(DeFi)向けの分散型オラクル「チェーンリンクデータストリームス(Chainlink Data Streams)」をアービトラム(Arbitrum)上でリリースしたことを10月2日に発表した。

アービトラムは、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ネットワークだ。

「チェーンリンクデータストリーム」は、低いレイテンシ(遅延)で継続的にリアルタイムの市場データを提供するオラクルサービスだ。

チェーンリンクによると同サービスは、中央集権型取引所(CEX)のパフォーマンスに引けを取らず、より透明度の高い無期限先物プロトコルや、タイムリーかつ正確な決済が可能なオプション取引、分散型予測市場の構築などを可能にするとのことだ。

また同サービスは、現在アービトラム上の主要なDeFiプロトコルである「GMX」が本番環境で使用しているという。

同サービスは現在アービトラムのメインネットで稼働しているものの、アーリーアクセスの段階だ。ユーザーは、公式ページから同サービスのアーリーアクセスにサインアップできるとのことだ。

また「チェーンリンクデータストリームス」は、2023年の第4四半期のうちに段階的に利用可能になっていくことが分かっている。現段階でチェーンリンクは、開発者向けのドキュメントおよび同サービスを利用したデモアプリケーションを公開している。

「GMX」は公式ツイッターにて「GMXはアービトラムのメインネット上でGMX V2をフルローンチするために、チェーンリンクの新しい低レイテンシーオラクルであるデータストリームスの統合に成功しました。オンチェーン取引は進化を続け、より高速になりました!」と述べている。

チェーンリンクは今年7月、ブロックチェーンを跨いだトークン転送などをサポートするインターオペラビリティプロトコルの「CCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)」を発表した。

「チェーンリンクデータストリームス」や「CCIP」は多くのブロックチェーンをサポートする予定であり、スムーズな支払いシステムを必要としているとのこと。現在「チェーンリンクデータストリームス」ではトークンでの料金支払いをサポートしているが、今後この支払モデルも強化する予定とのことだ。

関連ニュース

参考:チェーンリンクブログ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/StationaryTraveller・iam2mai

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【12/1話題】KyberSwapのハッカーが完全支配を要求、マイクロストラテジーが880億円相当のBTC購入など

KyberSwap事件のハッカー、報奨金の取引条件として同社完全支配を要求、米マイクロストラテジー、880億円相当のビットコイン追加購入。合計保有数174,530BTCに、グレイスケール、現物BTC投資信託「GBTC」の運用効率化で契約更新、積水化学、蘭ブロックチェーントレーサビリティ「サーキュライズ」と業務提携、ワームホールが約331億円の資金調達、Wormhole Labs設立も、デジタル資産投資プラットフォームのFasset、ドバイでVASPライセンス取得、アニモカブランズが「オープンネットワーク」エコシステムに出資、TON最大のバリデータに、IoT向けDLTプラットフォーム「IOTA」がアブダビに財団設立、約148億円の資金提供も、バイナンス、BUSDのサポートを12月に終了へ

Sponsored

IoT向けDLTプラットフォーム「IOTA」がアブダビに財団設立、約148億円の資金提供も

IoT向け分散型台帳(DLT)プラットフォーム「アイオータ(IOTA)」が、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビに「アイオータ・エコシステムDLT財団」を設立したことを11月29日発表した。なお同財団はアブダビ・グローバル市場(ADGM)に登録された初の初のDLT(分散型台帳)に関する財団とのこと

アニモカブランズが「オープンネットワーク」エコシステムに出資、TON最大のバリデータに

アニモカブランズ(Animoca Brands)が、メッセージングアプリ「テレグラム(Telegram)」開発の分散型プラットフォーム「オープンネットワーク(The Open Network:TON)」の最大のバリデータとなり、TONエコシステムのミニアプリ「トンプレイ(TON Play)」へ出資したことを11月28日発表した