英ゾディアカストディがシンガポールへ参入、機関投資家向けデジタル資産サービスを開始

アジア太平洋地域での成長めざす

ゾディアカストディ(Zodia Custody)が、シンガポールのデジタル資産市場に参入すると9月12日発表した。

発表によれば、銀行傘下の事業体がシンガポールの金融機関にデジタル資産のカストディサービスを提供するのはゾディアカストディが初めてだという。

ゾディアカストディのCEOであるジュリアン・ソーヤー(Julian Sawyer)氏は、暗号資産規制と中央銀行デジタル通貨の発展に関してシンガポールが「成熟のその次のレベルに到達しつつある」とCNBCの取材に対し述べている。

また発表によるとゾディアカストディは、デジタル資産の銀行レベルのカストディを求める機関投資家からの需要の高まりと、同地域の既存顧客からの需要に応えるべく、アジア太平洋地域全体にサービスを拡大させたいようだ。

またソーヤー氏によれば同社の親会社であるスタンダート・チャータード銀行は、シンガポールにおいて「素晴らしいブランド力」を持っているという。そのため大手金融企業との交渉を有利に進められているとのことだ。

またソーヤー氏は、成熟した市場であっても課題は残っていると指摘。「私たちはこの分野に参入するだけでなく、その中で成功するために必要な機関のニーズ・要件を深く理解している。現地のエコシステムと関わりながら、市場参加者に最先端のテクノロジー、銀行レベルのコンプライアンス、ガバナンスを提供し、デジタル資産導入の旅を加速させる」と続けた。

ゾディアカストディについて

ゾディアカストディは、世界的な銀行金融グループの英スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank:SCB)のベンチャー投資&インキュベーションユニットであるエスシーベンチャーズ(SC Ventures)と米大手資産運用会社ノーザントラスト(Northern Trust)が設立した、機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)カストディソリューションを提供する企業だ。

また、SBIの子会社であるSBIデジタルアセットホールディングス(SBI DAH)が、ゾディアカストディと合弁会社を設立することを2月3日発表している。

ゾディアカストディは英国金融行為監督機構(Financial Conduct Authority)に登録済みであり、アイルランド中央銀行とルクセンブルグの金融部門監視委員会(Commission de Surveillance du Secteur Financier)の登録も受けている。また日本の規制当局にも現在申請中だ。

関連ニュース

参考:ゾディアカストディ CNBC
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Sergey-Khakimullin

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/14話題】米コインベースのシステム全体が停止、Tanéがa16z委任でオプティミズムのガバナンスに参加など

米コインベースのシステム全体が停止中、現在は問題調査中、Tanéがオプティミズムのガバナンスに参加、a16z委任受け、米暗号資産団体がPAC発足、連邦議会選の候補支援 会員44万人から資金募る、ユニスワップ創設者が米大統領に暗号資産政策を見直すよう忠告、SECへの批判も、リップル社CEO、米政府がUSDTを標的にしていると発言。テザー社CEOはこれに抗議、Snap to Earn「SNPIT」のトークン「SNPT」、BOBG社で発行が決定、兼松、ブロックチェーン活用「TradeWaltz」で書類保管を全面電子化に、BlockdaemonがUAE進出、アブダビグローバルマーケット(ADGM)に登録、Eigen Layerの「EIGEN」が請求可能に、取引所には未上場、Fireblocks、認可済みカストディアンへのネットワーク提供へ、NYDFS規制下の信託会社設立も、オムニチェーンID認証展開「Layer3」、独自トークン「L3」初回エアドロを今夏実施へ、暗号資産ウォレット提供「エクソダス」、NYSEへの上場が遅延