米マスターカードがCBDCへの取り組み強化へ、リップルらと協力しプログラム結成も

業界の著名企業らが参画

決済大手の米マスターカード(Mastercard)が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)について議論し、理解を深めるため、ブロックチェーン及び決済技術プロバイダーら7社とパートナーシップを締結し、CBDCに関するプログラムを結成すると8月17日発表した。

発表によるとマスターカードは、CBDCの利点と限界、そして安全でシームレスかつ有用な方法でCBDCを導入する方法について議論するCBDCプログラムへ、パートナーシップを締結した企業を参画させるという。

マスターカードのデジタルアセット&ブロックチェーン部門の責任者ラジ・ダモダラン(Raj Dhamodharan)氏は「このプログラムは、この分野の主要企業とのコラボレーションを促進し、イノベーションと効率化を促進することを目的としている」と説明している。

またCBDCプログラムの初期メンバーは、フィンテック企業の米リップル(Ripple)、デジタル資産カストディの米ファイヤーブロックス(Fireblocks)、web3ウォレットのメタマスク(MetaMask)を提供する米コンセンシス(Consensys)、デジタル・アイデンティティ技術プロバイダーのイデミア(Idemia)、トークン化資産のソリューション・プロバイダーのフルエンシー(Fluency)、デジタル・アイデンティティ・コンサルタントの英コンサル・ハイペリオン(Consult Hyperion)、セキュリティ技術グループの独ギーゼッケアンドデブリエント(Giesecke+Devrient)だ。

なおCBDCプログラムが取り組む具体的な計画などについては明かされていない。

ダモダラン氏は「私たちは決済の選択肢を信じ、さまざまな決済方法における相互運用性は、繁栄する経済にとって不可欠な要素であると考えている。デジタル主導の未来に向けて、CBDCとして保有される価値が他の貨幣と同様に使いやすいものであることが不可欠だ」と述べている。

マスターカードは今年4月、ブロックチェーン技術での取引の信頼性を高め、取引をより便利にする取り組みとして「マスターカードクリプトクレデンシャル(Mastercard Crypto Credential)」の立ち上げを発表している。

同取り組みは、ブロックチェーン技術での取引の信頼性を高め、取引をより便利にする取り組みで、ブロックチェーン企業のアプトスラボ(Aptos Labs:APT)、アバラボ(Ava Labs:AVAX)、ポリゴンラボ(Polygon Labs:MATIC)、ソラナ財団(The Solana Foundation:SOL)とも提携し、それぞれのエコシステム内のアプリケーション開発者に「マスターカードクリプトクレデンシャル」を提供するとのことであった。

また6月には、エンゲージプログラム「マスターカードエンゲージ(Mastercard Engage)」のパートナーネットワーク拡大を発表。

「マスターカードエンゲージ」では、マスターカードのグローバルネットワークや専門知識、テクノロジーなどのリソースを、同プログラムの参加パートナーが活用することで、プロダクトの市場投入を迅速に行うことができる。パートナーネットワークが拡大したことにより、マスターカードは、同プログラムに参加するパートナーに向けて、web3プロダクトの立ち上げ支援が可能になったという。

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参考:マスターカード
デザイン:一本寿和
images:iStocks/jir

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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