暗号資産の期末時価評価課税、自社発行分は対象外に=国税庁通達

国税庁が暗号資産の法人税ルールを一部改正

法人が事業年度末において保有する暗号資産(仮想通貨)のうち、自社発行分については時価評価の対象から正式に除外された。国税庁は6月20日、「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」を発出。そのなかで暗号資産もルール一部改正の対象として取り上げられた。

これにより、かねてから暗号資産業界より税制改正が求められていた要望のひとつが通ったことになる。

日本の税制では、企業が暗号資産を保有する場合、期末での評価額にて発生した含み益について課税対象となっている。これは企業が立ち上げたプロジェクトにより発行・保有する暗号資産についてもその対象となっていた。今回の税制一部改正により、条件を満たせば、この自社発行の暗号資産は課税対象外となった。

なお今回の通達によると具体的な課税対象外となる条件は、

(1)自己が発行した暗号資産でその発行の時から継続して保有しているものであること。
(2)その暗号資産の発行の時から継続して次のいずれかにより譲渡制限が付されているものであること。
・他の者に移転することができないようにする技術的措置として一定の措置がとられていること。
・一定の要件を満たす信託の信託財産としていること。

とされている。

ただし他社が発行した暗号資産の保有については、引き続き課税の対象となる。

今回、自社発行の暗号資産が課税対象外となったことで、web3スタートアップが国外へ流出する問題はクリアされた。しかし他社発行の暗号資産が保有できないことは依然として国内エコシステム成長への足枷となる。国外プロジェクトの日本参入へのハードルになる他、出資の対価として暗号資産を受け取る国内ベンチャーキャピタルは活動に制限がかかることになる等があるからだ。

これについて自民党web3PT(プロジェクトチーム)座長の平将明議員は「いわゆる『渡辺創太問題(web3人材シンガポール移住促進税制)』はなんとか解決。次は他社発行トークンで短期売買を目的としないアライアンス系ガバナンストークンの時価評価を外す件」と自身のツイッターにてコメントをしている。

昨年11月に自民党は、web3関連税制に関する緊急提言を行い、「自社発行の暗号資産保有に対する期末評価に対する対応」や「第三者が保有する短期売買目的でないトークンを期末時価評価の対象外へ」について提言をしていた。

また個人の暗号資産の取引に関わる課税に関して、「暗号資産取引による損益を申告分離課税の対象へ」と「暗号資産同士の交換による損益を非課税へ」を提言していた。

なお自民党は昨年12月に発表した「令和5年度与党税制改正大綱」のなかで、暗号資産関連の税制に関して「自社発行の暗号資産保有に対する期末評価に対する対応」を盛り込んでいた。

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参考:国税庁
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Maksym-Kapliuk

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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