OKXがドバイでライセンス取得進める、UAEで戦略的成長目指す

段階的なライセンス制度を設けるUAE

暗号資産(仮想通貨)取引所OKX(オーケーエックス)の中東部門が、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの暗号資産(仮想通貨)規制機関VARA(Virtual Assets Regulatory Authority)より、MVP(Minimum Viable Product)準備ライセンスを取得したことを6月15日発表した。

MVPライセンスは、ドバイにおける暗号資産に関するサービス提供を行うにあたり、取得するべき免許だ。同ライセンスには3段階のプロセスがあり、暫定承認ライセンスから始まり、準備ライセンスに続き、運用ライセンスで最終となる。

今回OKXは、MVP準備ライセンスを取得したことで、VARAの規制下で、最小限の製品を取り扱うために必要な前提条件をクリアした。

今後運用ライセンスを取得することで、OKX中東(OKX Middle East)は、機関投資家や適格リテール顧客に対して、米ドルおよびUAEディルハム(AED)の入出金やスポットペアを含む現物、デリバティブ、フィアットサービスを提供することができるようになる。

なおOKXは昨年7月に暫定承認ライセンスを取得していた。

発表によれば、OKXはUAEを、世界的にも地域的にも重要な戦略的成長の拠点だと考えているという。同社はドバイワールドトレードセンターに新オフィスを開設し、現地採用の上級管理職を中心にドバイのスタッフ数を30名に拡大する予定とのことだ。また、ユーザーやファンに向けて他企業などとのパートナーシップをUAEでも展開していくという。

OKXグローバルのチーフ・コマーシャル・オフィサーであるレニックス・ライ(Lennix Lai)氏はMVP準備ライセンスを取得出来たことに対する喜びを示し、「MENA地域は、Web3や暗号資産の中心地として素晴らしい可能性を秘めており、すでに成長しているエコシステムを地域全体で拡大する機会を楽しみにしている」とコメント。

OKXグローバルのガバメントリレーション責任者であるティム・ビョン(Tim Byun)氏は、「ドバイでのライセンス取得は、OKXのグローバル規制遵守戦略においても重要だ。今日の不透明な市場環境においては、VASPは高度な安全性、透明性、コンプライアンスを提供することが大事であり、強力で明確な規制に準拠していることが最も重要だ。すべての事業者は、VARAの包括的な枠組みのもと、コンプライアンス、リスク管理、セキュリティ、消費者保護に関する高い基準を満たす必要がある」と述べている。

VARAについて

VARAは、2022年3月9日に公布されたドバイ暗号資産規制法により設置された暗号資産事業に関する規制当局だ。ドバイ国際金融センターを除くドバイ全域(特別開発区やフリーゾーンは含む)における暗号資産の発行、取引、承認を監督および監視をしており、また暗号資産取引所とサービスプロバイダーを規制して消費者保護を確保している。

今年2月には、暗号資産規制のガイドラインを発表。同ガイドラインでは、暗号資産の発行及びライセンス制度、マネーロンダリング・テロ資金調達防止や、マーケティングとプロモーションなどに関する基本原則と目標を定めている。

なおVARAでは、7つの区分を規制対象とする暗号資産の活動ライセンスを提供している。これにはアドバイザリー、ブローカー・ディーラー、カストディ(保管)、交換業、レンディング(貸し借り)、移転・決済、管理・投資サービスがある。

web3にも友好的なUAE

UAEは暗号資産だけでなくWeb3領域も積極的に推進している。

昨年7月にはドバイのハムダーン・ビン・ムハンマド・アール・マクトゥーム(Hamdan bin Mohammed Al Maktoum)皇太子が、「ドバイ・メタバース戦略(Dubai Metaverse Strategy)」を発表。この戦略は、メタバースを利用して今後5年間で4万人の新たな雇用を創出し、40億ドル(約5,500億円)の経済効果を上げるための計画とのことだ。

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参考:OKX
images:iStocks/Jag_cz

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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