StarkNetにL3のEVM構築目指す「カカロット」がプレシードで資金調達、ヴィタリックも出資

「カカロット」がプレシードで資金調達完了

「Kakarot zkEVM(カカロットズィーケーEVM)」の開発を進めるKakarot Labs(カカロットラボ)が、プレシードラウンドによる資金調達完了と正式に法人化したことを6月1日発表した。

具体的な調達額は不明だが、Ethereum(イーサリアム)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏やハードウェアウォレットなど提供のLedger(レジャー)共同創業者であるニコラス・バッカ(Nicolas Bacca)氏、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューション開発のStarkWare(スタークウェア)、暗号化の難問に取り組むベンチャースタジオLambdaClass(ラムダクラス)など多くの投資家からカカロットは資金を集めたという。

「Kakarot zkEVM」は、スタークウェア開発の「StarkNet(スタークネット)」上にEVM(イーサリアムバーチャルマシン)環境を構築するプロジェクト。スタークウェア開発のプログラム言語「Cairo(カイロ)」によって書かれているとのこと。

なお「スタークネット」は、zkRollup(zkロールアップ)を活用したイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション。zkRollup(zkロールアップ)とは、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)」活用のロールアップのこと。ロールアップは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。

カカロットラボのフェーズ1の目的は、「Kakarot zkEVM」を「スタークネット」に導入し、同ネットワーク上で開発者がEVM互換のDApps(分散型アプリケーション)をシームレスに構築・展開出来るようにすることだという。

そしてフェーズ2では、「スタークネット」のフルノードでシーケンサー(順番を制御するコントローラー)であるMadara(マダラ)との統合により、ガスコスト(手数料)の軽減とTPS(1秒あたりのトランザクション数)を高めるレイヤー3のzkEVMを構築することを目指している。

なお「Kakarot zkEVM」は今年2023年の夏の終わりを目途にテストネットをリリースする予定とのことだ。

関連ニュース

参考:カカロットカカロットラボ(旧サイヤジンラボ)
デザイン:一本寿和

images:iStocks/BadBrother

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【9/11話題】UPBONDと鹿島建設らが「JPYC」活用の実証実験、博報堂キースリーとスターテイルがSoneium導入企業の支援など(音声ニュース)

UPBONDと鹿島建設ら、「JPYC」活用で建設現場の処遇改善と運営の効率化へ、博報堂キースリーとスターテイル、「Soneium」上でのサービス構想・開発実装の企業支援を開始、暗号資産詐欺の被害額、23年に45%急増=FBI、シンガポール、ワールドコインのアカウントとトークンの売買サービス提供者を捜査。先月は逮捕者も、バイナンスジャパンにネオ(NEO)上場、国内2例目、英金融監視機関、暗号資産ATMの違法運営で男を提訴、PayPalとVenmo、イーサリアムネームサービス(ENS)導入、State StreetとGalaxy Digital、デジタル資産ETF3銘柄立ち上げ、スタンダードチャータード、UAEでデジタル資産カストディサービス開始、テザー社、トロン、TRMラボの3社が協力。USDT不正利用と戦う金融犯罪ユニット設立、ビットコインスケーリング「Fractal Bitcoin」がメインネット公開、FBトークン配布も、バイナンスでトークンロック解除・権利確定スケジュール機能導入、CoinMarketCap提供=報道

Sponsored

テザー社、トロン、TRMラボの3社が協力。USDT不正利用と戦う金融犯罪ユニット設立

USDTなどのステーブルコイン発行企業テザー(Tether)社とジャスティン・サン(Justin Sun)氏が設立したパブリックブロックチェーンのトロン(TRON)、暗号資産取引に関するセキュリティツールを提供するTRMラボ(TRM Labs)の3社が提携し、暗号資産(仮想通貨)犯罪に対抗する民間金融犯罪ユニット「T3 Financial Crime Unit (T3 FCU)」を設立した

博報堂キースリーとスターテイル、「Soneium」上でのサービス構想・開発実装の企業支援を開始

博報堂キースリーとスターテイルラボ(Startale Labs)が共同で、ソニーブロックソリューションラボ(Sony Block Solutions Labs)開発のブロックチェーン「ソニューム(Soneium)」を活用した企業のサービス構想企画、開発実装のサポートサービスの提供開始を9月11日発表した