バイナンス、BSC上のBUSDに担保不足の時期があったこと認める

BSC上のBUSDで過少担保があったこと明らかに

大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)が、バイナンススマートチェーン(BSC)上で発行されるステーブルコイン「Binance-Peg BUSD」の担保資産が不足していた時期があったことを1月11日にブログで認めた。

「Binance-Peg BUSD」の担保となる資産は、イーサリアム(Ethereum)上で発行される米ドルペッグのステーブルコインBUSDである。BUSDをイーサリアム上でロックすることにより、それと同等の「Binance-Peg BUSD」をBSC上で発行できる仕組みとなっている。

なお「Binance-Peg BUSD」がBUSDに担保されている一方で、BUSDは米ドルによって1対1の比率で担保されている。いずれも発行体が担保資産を保有またはロックすることで、価値を維持している。

バイナンスによると、運用上の理由からイーサリアム上でのBUSDのロックとBSC上での「Binance-Peg BUSD」の発行のタイミングに不一致が生じ、担保資産であるBUSDが不足している時期があったとのこと。バイナンスは2022年にこの問題を認知し、資産のリバランスの頻度を増やすことで解決したとのことだ。

またブルームバーグの報道によると、2020年と2021年に「Binance-Peg BUSD」の過少担保が発生していたとのこと。またブルームバーグに対しバイナンスの広報担当者は「ペッグを維持するプロセスには多くのチームが関与しており、常に完璧であるとは限らず、過去に運用上の遅れを招いた可能性があります。最近は、常に1対1ペッグであることを保証するために不一致検査を強化し、プロセスを大幅に改善しました」と回答している。

なおBUSDについては、ニューヨーク州金融サービス局の規制を受けるパクソス(Paxos)が発行を担当し、毎月監査企業が裏付け資産の証明を行っているため、「Binance-Peg BUSD」の過少担保がBUSDの価値に影響を及ぼすことはなかったとのことだ。

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参考:BinanceBloomberg
デザイン:一本寿和
images:iStocks/iam2ma

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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