米インベニアム、ブロックチェーン活用の未公開資産評価サービス提供

米インベニアムがBCを用いた未公開資産評価サービスを提供

ブロックチェーンを活用して資産のデジタル化を進める米企業インベニアム・キャピタル・パートナーズ(Inveniam Capital Partners)が、英領バミューダの金融サービスプロバイダーであるエイペックス・グループ(Apex Group)と提携し、未公開資産の評価サービスを提供することを9月7日に発表した。

未公開資産(プライベートアセット)とは不動産、未公開株、インフラ、クレジット資産などのような、公開市場で取引されない資産のことを指す。未公開資産の取引規模は増加傾向にあるが、流動性の低さなどの課題が残っている。

インベニアムが保有するブロックチェーン技術をエイペックスの資産データに適用することにより、未公開資産について監査可能な評価を与えるサービス(VaaS:Valuation as a Service)を実現するとのこと。

これにより、エイペックスの顧客は第三者に対して自身の未公開資産についての信頼性の高い監査証跡を自動で提供できるようになるとのこと。またこれまで時間がかかっていた資産の評価の期間についても大幅に短縮できるようになるとのことだ。

今後インベニアムとエイペックスは、未公開資産の評価だけでなく、資産のトークン化、DeFiレンディングへの対応などの実現に向けて開発を進めるとのことだ。

今回の提携についてインベニアムのCEOであるパトリック・オメーラ(Patrick O’Meara)氏は「当社とエイペックスとの提携により、プライベートマーケットに新たなレベルの信頼できる情報、価格、透明性をもたらし、革命を起こすことができます。私たちは、信頼できるプライベートマーケットデータの新しい基準を確立しています」とコメントしている。

インベニアムは2017年に設立されたフィンテック企業である。ブロックチェーン関連の特許を複数取得しており、ブロックチェーンを用いた資産の可視化とデータ運用システムの構築を進めている。現在同社のプラットフォームには240億ドル(約3.4兆円)以上の資産が登録されているとのこと。

エイペックスグループは2003年に設立された金融サービスプロバイダーであり、世界40か国に80以上の拠点を持つグローバル企業である。

関連ニュース

イーサリアムメインネット「The Merge」第1段階、「Bellatrix」実装完了

ロシア、ステーブルコイン活用の決済インフラ開発中か=報道

21Shares親会社21 .co、約36億円調達しユニコーンに=報道

バイナンスが自社ステーブルコイン「BUSD」に注力か、USDCやUSDPなど取引非対応へ

バイナンスに流入するUSDCが増加する可能性も、サークルCEO

参考:Apex Group
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ismagilov

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した