「USDC」と「USDT」、マージ後のPoWチェーン非対応。イーサ分岐問題でサークルとテザー表明

「USDC」と「USDT」、PoWチェーンに非対応

米ドルステーブルコイン「USD Coin(USDC)」 の発行元である米サークル(Circle Internet Financial)が、イーサリアム(Ethereum)の「マージ(The Merge)」後において、PoWチェーンについてサポートせずPoSチェーンに対応する意向を8月9日表明した。

また同日、米ドルステーブルコイン「Tether(USDT)」を発行する米テザー社もサークルと同様の方針を発表している。

イーサリアムは来月9月19日、コンセンサスアルゴリズムをPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へ移行する大型アップグレード「マージ」を実施する予定だ。イーサリアム2.0のチェーン(ビーコンチェーン)に、イーサリアム1.0のチェーン(エグゼキューションチェーン)を移行する計画となっている。

しかしそれに対し先月末、中国の個人投資家であり著名な暗号資産マイナー(マイニングを行う人)として知られるチャンドラー・グオ(Chandler Guo)氏が、「マージ」後に残るイーサリアム1.0のチェーンをハードフォーク(分岐)させて、PoWで稼働するネットワークを保持するプロジェクトを発表した。

現在ではそのフォークの可能性のあるPoWチェーンのサポートを表明するビットメックス(BitMEX)やポロニエックス(Poloniex)などといった海外取引所が出てきている状況だ。

なおこのプロジェクトは「マージ」後も潜在的に存在し続けるPoWチェーンにて、マイナーが現行のマイニングマシンを使用して報酬を続けて得られるようにすることを目的としている。

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参考:サークルテザー
デザイン:一本寿和
images:iStocks/
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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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