【取材】横浜DeNAベイスターズがNFT販売、LINEブロックチェーン活用「PLAYBACK 9」提供

横浜DeNAベイスターズが試合の名シーンをNFTで販売

横浜DeNAベイスターズが、試合の名シーン動画をNFT化し販売を開始したことが分かった。

ディー・エヌ・エー(DeNA)と横浜DeNAベイスターズが、球団公式デジタルムービーNFTの購入やコレクションができるサービス「PLAYBACK 9(プレイバックナイン)」を11月30日に提供開始した。

9月に西武ライオンズがNFTの販売を実施しており、今回のベイスターズの取り組みは、国内プロ野球チームのNFT販売としては2例目となる。

なお「PLAYBACK 9」には「LINE Blockchain」が採用されている。そして当初「PLAYBACK 9」ではNFTは購入と閲覧のみとなるが、今後は二次流通にも対応し、ユーザー同士で売買可能になる予定とのことだ。

なお各シーンのNFTは、販売期間や発行上限数の制限を定めることで希少性を担保するという。発行上限数を上回る購入申込があった場合は抽選により購入者を決定するとのこと。また購入したNFTには、ランダムにシリアルコードが割り振られるとのことだ。

 「PLAYBACK 9」担当者に取材

「あたらしい経済」編集部が「PLAYBACK 9」担当者に取材したところ、これらのNFTは全てオークションではなく固定額での一次販売となるようだ。ノーマル120円、レア480円、スーパーレア980円、レジェンダリー1,980円という価格設定になっており、発行するカード1種類500枚限定で販売されるとのこと。

また今後のオークション販売や、同じくプロ野球チームとしてNFTを販売している西武ライオンズのように、実物の特典(ライオンズの場合は安打記録の達成パネルなど)とNFTを紐づけした販売の可能性については「想定をして開発を進めてきたが、現状では未定」とのことだ。

そして今後予定されている二次流通機能では、販売価格をユーザーが自由に設定できるとのこと。また「LINE Blockchain」以外の外部マーケットプレイスへのNFT出庫は「想定をして開発を進めているが法的な懸案事項などがあり、現状では未定」という。

また、DeNAでは子会社の川崎ブレイブサンダースとともにブロックチェーン技術を用いて開発した、試合で活躍する選手を予想して楽しむことができるカードゲーム「PICKFIVE(ピックファイブ)」の試験提供を行っていたが、今回DeNAとしてNFTに取り組むのは「PLAYBACK 9」が初の事例となるという。

そしてDeNAで提供する他のサービスにてNFT販売も検討を進めているとのことだ。

NFTとは?

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」は代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

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参考:LINE

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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