Datachain、Cosmos推進するインターチェーン財団の助成金に採択

Datachain、インターチェーン財団の助成金に採択

株式会社Datachain(データチェーン)がインターチェーン財団(Interchain Foundation)の助成金に採択されたことが10月4日分かった。同財団はブロックチェーンCosmos(コスモス)のエコシステム構築を推進する非営利団体だ。

発表によるとインターチェーン財団の助成金採択は、国内企業において初の事例となるようだ。

DatachainはHyperledger LabsのOSSプロジェクト「YUI」の開発を主導しており、様々なブロックチェーン基盤においてIBC(Inter-Blockchain Communication)によるインターオペラビリティ(相互運用性)を実現するために「IBC Module」などを開発している。なおIBCとは、インターチェーン財団およびCosmosプロジェクトによって策定が進んでいる、ブロックチェーン同士の相互運用性を担保するための仕様標準のこと。

今回の助成金により、Datachainは「IBC-Solidity」の開発を推進していく。「IBC-Solidity」はIBCによるEthereumにおけるインターオペラビリティを実現するためのプログラミング言語で、EVM(Ethereumのスマートコントラクトの実行環境)を搭載するブロックチェーン上で動作できるよう構成されている。

「IBC-Solidity」の使用により、パブリック及びエンタープライズEthereumと、Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)、Corda(コルダ)、Tendermint(テンダーミント)などのその他のブロックチェーン基盤との間で、仲介する第三者の信頼に依存することなくインターオペラビリティが可能となるとのこと。

Datachainは「IBC-Solidity」実装後について、まずはEthereumとCosmosの間のインターオペラビリティ実現を検討しているという。またその後は大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の「Binance Smart Chain」をはじめとするEVM互換性のあるブロックチェーンへの対応も検討しているとのことだ。

DatachainではIBCを用いたインターオペラビリティの取り組みとして、今年8月にEthereumとエンタープライズ向けブロックチェーンであるHyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)のインターオペラビリティ実現の為の実証実験を株式会社NTTデータと共に行っている。また先月9月にはエンタープライズ向けブロックチェーンのコルダ(Corda)と、他のブロックチェーン基盤を相互接続をするモジュールのリリースをしている。

関連ニュース

Datachain、コルダとの異種ブロックチェーン相互接続モジュールをリリース

Datachain、イーサリアムとハイパーレジャーファブリックの相互運用性に関する実証実験開始

【10分解説】コスモスとポルカドット、何が違う?(CauchyE代表 木村優氏)

デザイン:一本寿和
images:iStocks/artacet・ChrisGorgio・LongQuattro

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

Mercado BitcoinとPolygon Labsが提携、ラテンアメリカでのRWAトークン化促進で=報道

ラテンアメリカ最大の暗号資産(仮想通貨)取引所メルカドビットコイン(Mercado Bitcoin:MB)が、「ポリゴン(Polygon)」の開発元であるポリゴンラボ(Polygon Labs)と提携し、同地域でのRWA(Real World Assets:現実資産)のトークン化を促進させるようだ。地元メディア「ポータルドゥビットコイン(Portal do Bitcoin)」が3月13日に報じている

リップル社がUAEで暗号資産決済サービス展開へ、ドバイ規制当局から正式ライセンス取得で

米リップル(Ripple)社が、ドバイ金融サービス機構(DFSA)から決済プロバイダーライセンスの正式承認を取得したことを3月13日に発表した。これによりリップル社は、ドバイ国際金融センター(DIFC)において、規制に準拠した暗号資産(仮想通貨)決済および関連サービスを提供できるようになった。なおDFSAは、DIFC内の金融サービスを監督する独立規制機関である

ロビンフッドクリプト、ソラナ上の暗号資産「PENGU」・「POPCAT」・「PNUT」取扱開始

米ロビンフッドマーケッツ(Robinhood Markets)が提供する「ロビンフッドクリプト(Robinhood Crypto)」アプリにおいて、米国ユーザー向けに暗号資産(仮想通貨)パジーペンギンズ(PENGU)、ポップキャット(POPCAT)、ピーナッツザスクワロル(PNUT)が新たに追加された。ロビンフッドが3月13日にXで発表している