イーサリアム次期アップグレード「Fusaka」、Holeskyテストネットで稼働開始

イーサリアムの「Fusaka」がHoleskyで稼働

イーサリアム(Ethereum)の次期大型アップグレード「フサカ(Fusaka)」のホレスキー(Holesky)テストネットでの稼働開始を開発者コミュニティethPandaOpsが10月1日に発表した。

すでにフォークは確定しており、ネットワークは良好な状態だ。これにによりフサカのメインネット実装に向けた最初のステップが完了した。

フサカは、定期的に行われるイーサリアムの大型アップグレードの一つで、複数の新しいイーサリアム改善提案(EIP:Ethereum Improvement Proposal)を導入する。最も重要な変更は「ピアデータ・アベイラビリティサンプリング(PeerDAS:Peer Data Availability Sampling)」の実装だ。これによりイーサリアムのブロブ(Blob)容量および処理効率が向上する。

なおブロブとは、イーサリアムのレイヤー2ネットワークがレイヤー1であるイーサリアムへのトランザクションバッチ等のデータを送信する際に使用する比較的安価で一時的なデータ領域のことだ。

PeerDASは、バリデーターが大規模なデータセット全体をダウンロードせずに、小さなサンプルのみで検証を可能にする技術である。これによりレイヤー2ネットワークとバリデーターの両方でコストが削減されるとのこと。またブロブの処理効率が向上し、イーサリアムのスケーラビリティが新たなレベルに到達するという。

稼働開始時にはバリデーターの参加率低下と、ミスされたスロット数の増加が確認された。しかし調査の結果、これは一部のオペレーターがソフトウェアの更新を忘れたことによるオペレーターエラーであることが判明した。現在はオペレーターが更新を行っており、参加率は上昇傾向に戻っているとのことだ。

フサカでは、ブロックガス上限が現在の3,000万ユニットから1億5,000万ユニットに増加し、より多くのトランザクション処理を可能にする。またヴァークルツリー(Verkle Trees)の実装によるデータストレージの最適化や、イーサリアム仮想マシン(EVM)のパフォーマンス改善も含まれる。

イーサリアムリサーチャーのクリスティーン・キム(Christine Kim)氏によると、開発者らは9月19日のACDC165コールでフサカのスケジュールを確認している。10月1日のホレスキーに続き、10月14日にはセポリア(Sepolia)、10月28日にフーディ(Hoodi)でのテスト実装を経て、12月3日にメインネット実装を予定しているという。

ホレスキーは2023年にローンチされたテストネットワークで、バリデーターの設定がイーサリアムのメインネットと非常によく似ていることから重要視されている。なお同テストネットはここ数カ月で老朽化と信頼性の問題の兆候を見せ始めており、フサカがメインネットで稼働してから2週間後に終了する予定だ。

今後のステップとして、ホレスキーの監視とデータ収集、一連のテストの実施、修正を他のテストネットに適用し、最終的にメインネット実装を行うとのこと。開発チームはネットワークの安定性を監視しながら段階的な検証プロセスを進め、12月のメインネット実装を目指している。 

画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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