Berachain、イーサリアム「Pectra」を完全実装した初のL1に

Brachainが「Bectra」アップグレードを実装

ベラチェーン(Berachain)が「ベクトラ(Bectra)」ハードフォークを実装したことが6月5日に発表された。

「ベクトラ」実装によりベラチェーンは、イーサリアム(Ethereum)の「ペクトラ(Pectra)」の機能を完全に実装した初のレイヤー1ブロックチェーンとなったとのこと。またこれにより、ベラチェーン上で稼働する100以上のアプリケーションがより高度なツールにアクセス可能になるという。

「ベクトラ」アップグレードでは、スマートアカウント(EIP-7702)と実行レイヤー出金(EIP-7002)を含む7つの主要なEIPがベラチェーンで有効化された。さらに、BLS署名の検証の高速化、履歴ブロックハッシュアクセス、コールデータコストの更新、実行レイヤーの汎用リクエストのサポートも追加されている。

特にEIP-7702の実装が最も注目されており、これによりすべてのウォレットがコントラクト上でスマートアカウントとして機能するようになる。ユーザーはトランザクションのバッチ処理、ワンクリックでの報酬請求、アプリケーションによるガス代の代理支払いが可能になった。

これらの機能によりユーザーは、支出制限の設定や定期支払いの設定もできるようになり、以前は独自コントラクトやサードパーティの実装が必要だった機能が標準で利用可能になるという。

また開発者にとって同アップグレードは、ロールアップ、ゲーム、ソーシャルアプリ向けの新しいソリューションを提供するものとなる。

具体的には、インセンティブツールの内蔵サポートやデリゲート投票への対応により、新しいアプリケーションのローンチや調整が容易になるという。また既存のコントラクトを書き直す必要がないため、既存のネットワーク上で稼働するアプリケーションにとって大きな利点となる。

またバリデータは、実行レイヤーでの出金機能により必要に応じて退出やリバランスができるようになった。バリデータ運営がよりスムーズになっただけでなく、手数料ロジックも改善され、デリゲートサポートも提供されるという。これにより、ステーキングや運営に関して細やかな制御が可能になるとのことだ。

ベラチェーンは独自のコンセンサスアルゴリズム「PoL:Proof of Liquidity」をするEVM互換のレイヤー1ブロックチェーン。これはイーサリアムの「Proof of Stake(PoS)」とは違い、トークンを「流動性」にロックすることでブロック報酬が得られる仕組みとなっている。このシステムはユーザーに資産を活用するよう促すことで、ブロックチェーンの成長とセキュリティ向上を図っている。

参考:ベラチェーンhttps://blog.berachain.com/blog/bectra-is-live-programmable-wallets-on-demand-exits-and-more-on-berachain
画像:iStocks/royyimzy・dalebor・BSVIT

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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