テザーがOrionxとShiga Digitalに出資、中南米・アフリカでステーブルコイン活用インフラ拡大へ

テザーがOrionxとShiga Digitalに出資

テザー(Tether)社が、チリのデジタル資産取引所オリオンエックス(Orionx)および、アフリカ全土でブロックチェーン基盤の金融ソリューションを提供するシンガデジタル(Shiga Digital)に戦略的投資を実施した。なお、いずれも出資額は明かされていない。

テザー社は、ステーブルコインの時価総額で1位の米ドル(USD)ペッグの「USDT」の他、ユーロ(EUR)ペッグの「EURT」、金(ゴールド)に価値が裏付けされた「XAUT」などのステーブルコインを発行している。

テザー社は6月3日、オリオンエックスへの単独出資によりシリーズA資金調達ラウンドを完了させたと発表した。オリオンエックスは調達した資金を通じてチリ、ペルー、コロンビア、メキシコといった中南米地域での事業基盤強化や、ステーブルコインを活用した送金・決済・財務サービスのインフラ拡大を進めるとしている。

ブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)の調査によると、2023年7月から2024年6月の1年間で、ラテンアメリカ地域には約4,150億ドル(約597億円)相当の暗号資産が流入し、その多くがステーブルコインを介した取引であったという。また、同地域は世界で2番目に銀行口座を持たない成人の割合が高いとされており、ステーブルコインは銀行を介した取引に代わる選択肢として注目されているとのこと。

続いて6月5日にテザー社は、シンガデジタルへの出資を発表。シンガデジタルは今回の調達を通じてUSDTのインフラを活用し、国境を越えた支払いやグローバルな流動性へのアクセスといった課題解決に取り組むとしている。

シンガデジタルはアフリカ企業に対し、バーチャル口座やOTC(店頭取引)サービス、財務管理、FX(外国為替)などの機能を提供している企業だ。同社のインフラは、アフリカ大陸内外の石油やガスなど旧来型産業における財務・為替管理を支援するほか、個人事業主が世界中から外国通貨で報酬を受け取れるようにする機能も提供している。

参考:Tether1Tether2
画像:iStocks/ChrisGorgio

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
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