エルサルバドル国営銀行、ビットコイン活用の銀行システム開発へ

エルサルバドル国営銀行、ビットコイン活用の銀行システム開発へ

エルサルバドルの国営銀行「Banco Hipotecario」がビットコイン活用のため、複数のテクノロジー企業らと「ビットコイン・アライアンス( Bitcoin Alliance)」を結成したことが10月7日に分かった。

このアライアンスに参加するテクノロジー企業は、「API3」、「TESOBE」、「Qredo」、「Sovryn」だ。

アライアンスの目的は「ビットコインによる電子決済の民主化を加速させ、市民がデジタルや分散型取引のメリットを享受できるようにすること」とのこと。

そして「ビットコインを法定通貨として円滑かつ効果的に統合し、エルサルバドル国民の金融包摂を促進するために、国の大きな金融フレームワークをサポートしていく」と発表で説明されている。

なおアライアンスに参加する「API3」は、分散型オラクルソリューションを提供する企業だ。また「TESOBE」はオープンバンキングソリューションや銀行向けのAPIを提供している。

そして「Qredo」は分散型のカストディサービスを提供し、「Sovryn」はビットコインネットワークでスマートコントラクトが実装できるアプリケーションを提供している。

ちなみにアライアンスに「Qredo」が選ばれた理由は、エルサルバドルで提供されているビットコインのライトニング・ネットワークに互換性があるからとのこと。

出典:API3

このアライアンスでは、「TESOBE」と「API3」がエンドツーエンドのオープンデジタルシステムを設計し開発していく役割とのこと。

また「Qredo」はバンキングソリューションの分散型カストディアンとしての役割を担い、「Sovryn」は従来の銀行が顧客に融資、取引、ビットコイン担保付きステーブルコインなどのビットコインネイティブな分散型金融の商品を提供するためのインフラを提供する役割を担うとのことだ。

「Banco Hipotecario」のセリーナ・パディーヤ(Celina Padilla)代表は、「ビットコイン・アライアンス」結成について次のようにコメントしている。

「これはエルサルバドル国民のニーズをサポートする新しい金融商品を生み出す絶好の機会です。私たちは真の金融包摂の実現に向けてこれまで以上に目標達成に近づいており、Banco Hipotecarioが国家レベルでこの類の提携を実施した最初の銀行であることを誇りに思います。今や誰もがエルサルバドルと当行に注目しています」

参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/RamCreativ・NatanaelGinting

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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