米コインベースが集団訴訟に直面、未登録証券の販売と無認可ブローカー運営の指摘で

未登録の証券販売したとして

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、未登録の有価証券販売及び無認可ブローカーとして運営をしているとして集団訴訟された。カリフォルニア州北部地区の裁判所に5月3日に提出された資料により明らかとなった。

6名の原告を代表して法律事務所Scott+Scottが起こした今回の訴訟で訴えられたのはコインベースグローバル、コインベース、コインベースアセットマネジメント、そして同社CEOのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏だ。

同訴訟ではコインベースのデジタル資産販売が、「故意的かつ意図的に繰り返し証券取引法に違反した」と主張されている。

また原告は、「コインベースが、デジタル資産証券を『投資』として原告や集団に販売した」と指摘。

さらに「コインベースが同社のデジタル資産証券を提供・販売する人物をブローカー・ディーラーの関連人物として登録せず、SEC、フロリダ州、カリフォルニア州、またはその他の州にブローカー・ディーラーとして登録しなかった」とも原告は述べている。

ブロックチェーンメディアのザ・ブロック(The Block)によれば、コインベースは声明にて同訴訟における原告側の主張を、「法的根拠がない」とし、「私たちは司法手続きを全面的に信頼しており、適切な時期に全面的に対処することを楽しみにしている」と述べている。

コインベースは現在、米証券取引委員会(SEC)との訴訟の真っ只中にある。

SECは昨年6月にコインベースを提訴し、コインベースはソラナ(Solana)、カルダノ(Cardano)、ポリゴン(Polygon)を含む少なくとも13銘柄の暗号資産取引を仲介しており、これらは証券として登録されるべきだったと主張していた。

SECはまた、コインベースのステーキングプログラム(ブロックチェーンネットワーク上での活動を検証するために資産をプールし、顧客への報酬と引き換えに手数料を取るプログラム)も訴訟の対象とし、同プログラムはSECに登録されるべきだったと主張していた。

コインベースは、SECの主張に反発し訴訟を棄却するよう申し立てていたが、この申し立ては却下され、訴訟は現在も続いている。

しかし同訴訟において、コインベースウォレットに対する請求は棄却されている。

これは、コインベースが顧客にウォレットアプリケーションを提供した際、無登録ブローカーとして運営していたというSECの訴えを却下した格好となった。

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参考:裁判資料
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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