米証券取引委員会(SEC)がリップル社の経営陣を提訴か

米証券取引委員会(SEC)がリップル社の経営陣を提訴か

米証券取引委員会(SEC)がリップル(Ripple)社の最高経営責任者のブラッド・ガーリンハウス(Brad Garlinghouse)氏と共同創業者のクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏を連邦民事裁判所に提訴する予定であると12月21日にウォールストリートジャーナルが報じた

ウォールストリートジャーナルによれば訴訟の論点はRipple社が2012年に立ち上げたデジタル資産であるXRPが、実際にはSECに登録されるべき証券であったかどうかを中心に展開されていくとのことだ。つまり証券の原初発行を規制する米国のSecurities Act of 1933(1933年証券法)へ抵触したかどうかが論点となる。

33年証券法は投資家が特定の情報に基づいた投資意思決定を行うため、十分かつ公正な開示を確保することを求めている。これにより発行会社は登録免除規定が適用されている場合をのぞいて、証券に関する有価証券届出書のSECへの提出と発行証券に関する目論見書を潜在投資家へ提供する義務が求められる。

ウォールストリートジャーナルによれば、リップル社は現在、約64億のXRPを直接保有しており、さらに480億のXRPをエスクローで保有していて、そこから定期的に一般投資家に売却しているとのことだ。リップル社設立以来、累計450億のXRPを配布してきたとのことだ。

ブラッド・ガーリンハウス氏は「SECのジェイ・クレイトン会長は、彼の任期最後の行動で、勝者を選び、暗号資産業界における米国のイノベーションをBTCとETHに制限しようとしています。SECは他のG20諸国や他の米国政府とは一線を画しており、イノベーションがどのようなものであるかを選択することはできないはずです(特に、彼らの決定が中国に直接利益をもたらす場合)。私たちは戦い、勝利する準備ができています。」とツイートしている。

またブラッド・ガーリンハウス氏のツイートに対して、SBIホールディングス株式会社代表取締役社長の北尾吉孝氏は「日本の金融庁はXRPが証券ではないと既に明言しています。米国においても、Ripple社が最終的に米国で勝利を勝ち取ると強く信じています。SBIホールディングスは引き続きRippleの確固たるパートナーとして、共にアジアで事業拡大に取り組みます」と引用ツイートしている。

編集部のコメント

1933年証券法は証券発行体の資金調達手段を規制する法律です。SECは今回リップル社のRipple(XRP)を活用した資金調達手段が法に抵触したと考えての提訴でしょう。ちなみに1933年証券法では、十分な開示を行わずに証券を販売した場合、投資家は証券の引受契約を取り消して、証券売買代金を返金してもらえます。なおSECはビットコインとイーサリアムは証券ではないと判断しています。

XRPが証券なのか、そうではないのかが争点となる今回の裁判。その判決次第では、他の暗号資産プロジェクトへの先々の影響も考えられる重要なものになるのではないでしょうか。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/antoniokhr)

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あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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