Phantomアプリ内でKalshiの予測市場を取引可能に
暗号資産(仮想通貨)ウォレット「ファントム(Phantom)」が、米国ユーザー向けに予測市場機能の提供を段階的に開始したと10月23日に発表した。米国向けとしては初めて、予測市場プラットフォーム「カルシ(Kalshi)」との統合を通じて同機能を提供する。ファントムは米商品先物取引委員会(CFTC)のノーアクション措置を活用しており、今後数週間にわたって利用対象を拡大する予定だ。
予測市場は、将来の出来事の結果を予測する契約を売買する市場だ。具体的には、ユーザーはファントムのモバイルアプリ内にある「プレディクト(Predict)」タブから、スポーツや政治、経済などの市場を選択し、予測する結果に対して「Yes」または「No」の契約を購入できる。
また、ユーザーは米ドル連動型ステーブルコイン「CASH」や、ソラナ(Solana)上のトークンを使って予測市場の契約を購入できる。購入した契約に基づくポジションは、ソラナ上の「アウトカムトークン(outcome token)」と呼ばれるトークンで表現される。ユーザーはポジションをファントムのアプリ内で売却できる。また、購入した契約が的中した場合、払戻金はアプリ内のCashアカウントへ自動的に戻される。
今回のサービスでは、ファントムがアプリ内で予測市場へのアクセス手段を提供する。一方、CFTCに登録された取引所であるカルシは、取引口座の承認・管理や注文の執行、市場結果の判定などを担う。ユーザーは取引開始前にカルシのアカウントを作成または連携し、本人確認を完了する必要がある。
なお、ファントムは利用者の暗号資産を自社で預からない非カストディ型ウォレットを提供している。ただし、今回の予測市場取引では、契約の購入資金がカルシへ移動する。また、予測市場機能は米国内の対象地域でのみ利用でき、地域によって利用可能な市場が制限される場合がある。
CFTCのノーアクション措置を活用
ファントムによると、CFTCの取次業者に関する既存の規制の多くは、同社のような非カストディ型ソフトウェアには適していなかったという。取次業者とは、顧客から先物取引などの注文を受け付け、取引所などへの取次ぎを行う事業者を指す。
そのため、ファントムは取次業者として登録せずにユーザーをCFTC登録取引所へ接続できるか、CFTCに問い合わせた。また、そのために必要な条件についても確認を求めた。
これを受けてCFTCの市場参加者部門は3月17日、スタッフレター「26-09」を発行した。同レターでは、ファントムが一定の条件下で規制対象市場へのアクセスを提供する場合、取次業者として登録していないことを理由とする法執行措置を勧告しない方針が示された。こうした対応は「ノーアクション措置」と呼ばれる。
さらにCFTCの市場参加者部門は9月17日、同様の条件を満たすソフトウェア提供事業者にも、ノーアクション措置を適用する方針を示した。
ファントムは今後も規制当局との協議を続け、セルフカストディ型ソフトウェアの役割に応じた規制の整備に向けて取り組む方針だ。
参考:ファントム1・ファントム2
画像:iStocks/mouu007