ミレイ大統領らへの「LIBRA」刑事捜査打ち切り
裁判所の記録によると、アルゼンチンの連邦判事は10月23日、ミームコインを巡る騒動に関連し、ハビエル・ミレイ(Javier Milei)大統領と妹のカリナ・ミレイ(Karina Milei)氏に対する刑事捜査を打ち切った。詐欺の証拠は認められないと判断した。
マルセロ・マルティネス・デ・ジョルジ(Marcelo Martinez de Giorgi)連邦判事は、価格が暴落した暗号資産(仮想通貨)の宣伝にミレイ大統領が果たした役割を調べていた。同コインの立ち上げを巡る詐欺疑惑について捜査を進めていた。
ミレイ大統領は2025年2月、当時ほとんど知られていなかった暗号資産「リブラ(Libra)」をXへの投稿で推奨した。これをきっかけに価格は一時上昇した。価格はその後急落し、ミレイ大統領は投稿を削除して、この暗号資産との一切の関係を否定した。
マルティネス・デ・ジョルジ判事は、ミレイ大統領がXに投稿した際、その公的な立場により、コインの立ち上げが「より大きな反響」を呼んだ可能性はあると記した。ただし、そうした事情は「それ自体で詐欺的な計画を構成するものではない」とした。
暴落当時、ミレイ大統領は「善意で」行動したと説明し、政敵がこの状況につけ込もうとしていると非難していた。
同大統領は「私はプロジェクトの詳細を把握していなかった。詳細を知った時点で、宣伝を続けないことにした」と述べた。
ブロックチェーンの調査専門家らによると、このトークンの作成者と関連する8つのデジタルウォレットによって、約9,900万ドル(約156億円)相当の暗号資産が同コインの取引市場から引き出されたという。
アルゼンチンのフィンテック業界団体は当時、この件が「ラグプル」に当たる可能性があると指摘していた。ラグプルとは、暗号資産トークンの開発者が正当な投資を呼び込んで価値をつり上げた後、自らの保有分を売り払う行為を指す。
同判事は10月23日、米実業家のヘイデン・デイビス(Hayden Davis)氏に対する捜査も打ち切った。デイビス氏は、自身を同トークンの「立ち上げのアドバイザー」と説明していた。同氏は暴落後に1億ドル(約157億円)近くを保有していたことを認めている。デイビス氏は不正行為を否定している。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Argentine judge clears President Milei of wrongdoing in meme coin scandal
(Reporting by Leila Miller, Editing by Iñigo Alexander and Rosalba O’Brien)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters