アルゼンチン大統領、ミームコイン「LIBRA」騒動の不正疑い解消

汚職防止局が「違反無し」と決議

アルゼンチンの汚職防止局は、ハビエル・ミレイ(Javier Milei)大統領がミームコイン「リブラ(LIBRA)」の宣伝を行ったことについて、大統領としてのいかなる義務にも違反していないと6月5日に決議した。

この騒動は、ミレイ大統領が2月に自身のXにて、「LIBRA」のローンチを紹介したことに端を発している。

この当時の投稿を受け、「LIBRA」は一時的に価格が急騰。しかしその後、数時間以内に急落した。

アルゼンチンのフィンテック協会はこの件が、暗号資産(仮想通貨)の開発者が合法的な投資を引き付け、価値を高めた後、後に持ち分を投げ売りする「ラグプル:だまし討ち(rug pull)」となる可能性があると指摘。

ミレイ大統領は後日、「プロジェクトの詳細は知らなかったが、問題が発覚した後は投稿を削除し、今後は一切関与しないことを決めた」と説明し、自身と「LIBRA」との関係を否定した。該当のX投稿は数時間表示されたのち削除された。

今回の決議で汚職防止局は、ミレイ大統領がXで「LIBRA」のローンチを紹介した際は、個人の資格で行動していたため、アルゼンチンの公務員に対する連邦倫理法に違反していないと判断した。

具体的には、この騒動に公的資金が使われていないこと、ミレイ大統領が、大統領に就任する以前からXにて自身の意見を発信してきたことなどが挙げられている。

汚職防止局は、ミレイ大統領のXアカウントが、しばしば、政権の公共政策や決定に言及するものの、非制度的な方法で、政治的、個人的な表現のためのプラットフォームとして機能しているとの見解を示した。

なおアルゼンチン政府は5月、「LIBRA」に関する調査タスクフォース(UTI)の解散を報告。

この騒動に関連し、アルゼンチンの連邦判事マリア・セルビニ(María Servini)氏は、中央銀行に対し、ミレイ大統領およびその妹カリナ・ミレイ(Karina Milei)氏の2023年以降の銀行取引記録の開示を命じている。

参考:発表
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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