UAEが政府主導でUAE Blockchain KYC Platformの稼働開始を発表

UAEが政府主導でUAE Blockchain KYC Platformの稼働開始を発表

ドバイ経済開発省とEmirates NBD(エミレーツNBD)が、UAE Blockchain KYC Platformの稼働を開始させたことを発表した。

UAE Blockchain KYC Platformの稼働を開始したのは、ライセンス機関と銀行間でデータを共有できるようにし、新規顧客のオンボーディングを迅速化することを目的としているとのこと。これによって顧客はKYCデータを自分で入力する必要がなくなるとのことだ。

なおこのKYCプラットフォームのインフラはHyperledger Fabricで構築されている。そしてノード間のデータ共有は、KYCソリューション専門企業norblockが開発したp2pプロトコルが利用されている。norblockのp2pプロトコルは、UAE規制当局の規制に準拠した形でのデータ共有を可能にしている。

Emirates NBDはすでに120社を新規顧客として迎え入れ、UAE Blockchain KYC Platformを稼働させているとのことだ。2020年第2Qにプラットフォーム参加者は登録当局から直接20万人分の顧客のKYCデータへのシームレスなアクセスを可能になるタイムスケジュールが組まれているとのこと。

ドバイ経済開発省の事業登録・ライセンスセクターのCEOを務めるOmar Bushahab(オマール・ブシャハブ)氏は「これは金融機関によるKYCデータの共有と企業の即時デジタルオンボーディングのためのUAE全体のエコシステムを確立する上で重要なマイルストーンとなります。これはデジタル化とペーパーレス化を中心とした政府のビジョンに沿ったものであり、特に今のような困難な時代においても、継続と持続を可能にする重要な戦略であり、国内でのビジネスのしやすさをより向上させます」とコメントしている。

エミレーツNBDのグループ最高執行責任者であるAbdulla Qassem(アブドゥラ・カセム)氏は「エミレーツNBDはアラブ首長国連邦の銀行グループとして初めて、ドバイ経済開発省と提携し、UAE Blockchain KYC Platformを利用できるようになったことを大変思っています。エミレーツNBDはUAEの経済に重要な貢献をしている地元の中小企業やスタートアップ企業を支援しており、中小企業のお客様がE20 Digital Business Bankアプリを使って即座に口座を開設できるようにした最初のユースケースを発表できることを誇りに思います。この先進的なソリューションは、エミレーツNBDとエミレーツ・イスラムの両方をカバーする複数のユースケースで、お客様がビジネスに集中できるように、銀行業務をよりシンプルにするという私たちの共通のコミットメントと一致しています」とコメントしている。

norblockのCEOであるAstyanax Kanakakis(アストヤナックス・カナカキス)氏は「UAEはデータ共有のために国を挙げてブロックチェーンベースのエコシステムを導入した世界で最初の国の1つです。ドバイ経済開発省、エミレーツNBDなどの大手金融機関、ドバイ政府、UAE政府のこのイニシアチブへのコミットメントは、積極的で野心的な考え方を示しており、UAEをアフターコロナの環境でビジネスが成功し続けることを保証する簡素化されたプロセスを備えたデジタル経済の構築に向けた重要な措置を講じている最初の国の1つとして位置づけています」とコメントしている。

編集部のコメント

UAE Blockchain KYC Platformを開発・運用するイニシアチブは、ブロックチェーンベースのKYCソリューションを提供する企業norblockが主となっています。このイニシアチブは2020年2月に発表されました。このプロジェクトはドバイをスマートシティー化する目的を持つ政府機関Smart DubaiとUAE中央銀行によって全面的にサポートされています。今後イニシアチブに参加しているドバイ商業銀行、HSBCなどもこのプラットフォームを本稼働をさせる予定とのことです。UAEのように国を挙げてブロックチェーンベースのKYCプラットフォームを本番運用させた事例は、他国へ大きな影響を与えるのではないでしょうか。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

images::iStock/Vit_Mar・Graficaprint)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

米議事堂襲撃事件/過激派団体への28.15BTCのビットコイン寄付が関与か、ジェミナイがビットコインのリワードを搭載のクレジットカード発売などのブロックチェーン・仮想通貨ニュース解説

米議事堂襲撃事件、過激派団体への28.15BTCのビットコイン寄付が関与か(ブロックチェーン分析企業チェイナリシスのレポート)、米暗号資産(仮想通貨)取引所のジェミナイ(Gemini)がビットコインのリワードを搭載した「ジェミナイ・クレジット・カード(Gemini Credit Card)」を発売することを発表、英イートロ(eToro)が今週末の暗号資産(仮想通貨)の買い注文を制限する可能性を顧客へ通知、米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「CBDC(中銀デジタル通貨)は慎重に検討」「ステーブルコインの規制は優先度が高い」と発言、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)がデジタル資産上場プロセス合理化のための新サービス発表、LayerXがエンタープライズ向けブロックチェーン基盤Corda(コルダ)、Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)、Quorum(クオーラム)の比較レポート「プライバシー編」公開

米暗号資産(仮想通貨)取引所のジェミナイ(Gemini)がビットコインのリワードを搭載した「ジェミナイ・クレジット・カード(Gemini Credit Card)」の発売することを発表

米暗号資産(仮想通貨)取引所とカストディアンを運営するジェミナイ(Gemini)がビットコインのリワードを搭載したクレジットカード「ジェミナイ・クレジット・カード(Gemini Credit Card)」の発売を1月14日に発表した

英イートロ(eToro)が今週末の暗号資産(仮想通貨)の買い注文を制限する可能性を顧客へ通知

オンライントレードプラットフォーム提供の英イートロ(eToro)が、同社のユーザーに対し「今週末の暗号資産(仮想通貨)の買い注文を制限する必要があるかもしれない」とメールにて通知を行ったことが1月14日ブルームバーグの報道で明らかになった

LayerXがエンタープライズ向けブロックチェーン基盤Corda(コルダ)、Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)、Quorum(クオーラム)の比較レポート「プライバシー編」公開

株式会社LayerXが同社独自のブロックチェーン基盤分析フレームワークである「LayerX Enterprise blockchain Analysis Framework(LEAF:リーフ)」において、エンタープライズ向けブロックチェーン基盤比較レポート「プライバシー編」を公開したことを1月14日発表した

欧州中央銀行総裁がG7G20規模でビットコイン規制要求、グレースケールがXRP投資信託を廃止、金融庁が「リップルは資金決済法で暗号資産」などのブロックチェーン・仮想通貨ニュース解説

欧州中央銀行ラガルド総裁がG7、G20規模でのビットコインへの規制を要求、米資産運用会社グレースケール(Glayscale)がリップル(XRP)訴訟問題を受けXRP投資信託の廃止決定、日本の金融庁「リップル(XRP)は資金決済法で暗号資産である(有価証券ではない)」と米国メディアTHE BLOCKへ回答、米デジタル資産カストディ企業アンカレッジが初の連邦認可のデジタルバンクへ、米ウェブインフラ企業クラウドフレアー(Cloudflare)がENSとパートナーシップ締結、企業間情報連携推進コンソーシアム「NEXCHAIN(ネクスチェーン)」が賃貸入居プロセスのワンストップサービス開始