監査法人KPMGがブロックチェーンと金融データを統合可能にするサービス「Chain Fusion」を発表

監査法人KPMGがブロックチェーンと金融データを統合可能にするサービス「Chain Fusion」を発表

監査法人KPMGが金融機関や機関投資家向けに暗号資産(仮想通貨)の管理を支援する分析ツール「Chain Fusion(チェーン・フュージョン)」を発表した。Chain Fusionはブロックチェーン上のデータと通常の金融システムのデータを統合して、管理できるサービス。ちなみにこのサービスは特許出願中とのことだ。

Chain Fusionの主機能は3つで、「1.Proof of Reserves(引当金、準備金の証明)、2.MPC Wallet (マルチパーティーコンピューティング・ウォレット)3.Transaction Monitoring(トランザクション監視)」 と紹介されている。 

KPMG Cryptoasset Servicesチームのディレクター兼共同リーダーであるSam Wyner(サム・ワイナー)氏は「規制当局と監査人は、暗号資産ビジネスの内部および全体で、ブロックチェーンシステム、従来の金融システム、ハイブリットなシステムのいずれに関わることなく、完全に実装された監査できうるプロセスを期待し求めています。そしてブロックチェーンやデジタルアセットをベースとしたビジネスであれば、監査のために個別のシステムが必要になるでしょう」とコメントしている。

さらにSam Wyner氏は「ブロックチェーンがコンソーシアムやプライベート型(パーミッションド)なのか、パブリック型(パーミッションレス)なのか、従来のシステムがフロント、ミドル、バックオフィスのシステムなのかによって、システム統合に必要な技術には根本的な違いがあります。主要なクリプトアセット技術ソリューションは、独自のシステム内のプロセスと制御の要件に対応することができますが、より大きな課題はシステム間で適切なプロセスと制御が行われ、システムが連携して動作することを確実にすることなのです。だからKPMG Chain Fusionはこれらのシステムと必要なプロセスとコントロールを一つの屋根の下に統合することで、これらの課題に対応しました」とコメントしている。

編集部のコメント

2019年11月29日に、KPMGはブロックチェーンベースのトレーサビリティシステム「KPMG Origins」をオーストラリア、中国、日本でローンチしました。このサービスは、IoTセンサーやデータの分析ツールを活用して、多くの業界に透明性と追跡可能性を提供します。

そして今回KMPGは監査法人の主要業務である「監査」に役立つブロックチェーンソリューションの発表をしました。

なお6月18日には監査法人のEYが米国で暗号資産の納税申告を支援するSaaS「EY CryptoPrep」の提供開始を発表しています。

このように監査法人がブロックチェーンサービスを提供する事例が増えてきています。監査法人としては、暗号資産領域の会計の透明性、税務申告の是正を行っていきたいのだと考えられます。ますますこの手のサービスは増えていくでしょう。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock/AliseFox・liuzishan–)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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