BNBスマートチェーンが「Fermi」アップグレードを実施
BNBチェーン(BNB Chain)が、BNBスマートチェーン(BSC:BNB Smart Chain)のハードフォークアップグレード「Fermi(フェルミ)」を1月14日に実装した。このアップグレードにより、BSCのブロック生成時間が従来の0.75秒から0.45秒に短縮され、トランザクションのファイナリティ(確定性)は約1秒程度を目標としている。これにより、BSCは主要なイーサリアム仮想マシン(EVM)互換チェーンの中でも高速な部類になる。
フェルミは、BNBチェーンが進めてきた「ショートブロックインターバル(短ブロック間隔)」ロードマップの最終段階を完了するものだ。このアップグレードは、単なる性能向上ではなく、信頼性も重視した設計になっているとのこと。バリデーターは0.45秒ごとにブロックを生成するようになり、オンチェーンでのトランザクション確認時間がほぼ半減する。
BNBチェーンの成長担当エグゼクティブディレクターであるニーナ・ロン(Nina Rong)氏は、「信頼性を損なわずに高速化する」ことが目標だと語った。短いブロック時間と強化されたファストファイナリティルールを組み合わせることで、ネットワークが混雑している場合でも確認保証が予測可能な状態を維持できるという。
同アップグレードでは、より厳格なブロック間隔に対応するためコンセンサスルールが改良され、バリデーターが同期を維持できるようになっている。BNBチェーンのドキュメントによると、フェルミはネットワークが混雑している際のファイナリティ遅延を減らすため、より厳しい伝播および投票パラメータも導入するとのことだ。
フェルミには5つのBEP(BNB Evolution Proposal)が含まれている。「BEP-590」はファストファイナリティの安定性のための拡張投票ルール、「BEP-619」は0.45秒へのブロック間隔短縮の第3フェーズ、「BEP-592」は非コンセンサスベースのブロックレベルアクセスリスト、「BEP-593」はインクリメンタルスナップショット、「BEP-610」はEVMスーパーインストラクションの実装を定義している。
BNBチェーンは、オンチェーン取引、リアルタイムDeFi(分散型金融)プロトコル、インタラクティブなゲーム分散型アプリケーション(DApps)など、レイテンシに敏感なユースケースに向けてフェルミを位置づけている。ロン氏は、このアップグレードが「ピークスループットだけでなく、実世界でのパフォーマンス」を改善するよう設計されていると述べた。ネットワークアクティビティが急増する状況でも、ユーザーやトレーダーにとって確認時間が安定した状態を維持することを目指しているという。
ほとんどのDAppsやスマートコントラクトはコード変更が不要で、エンドユーザーにとってもシームレスな移行が期待されている。ただしロン氏は、正確なブロックタイミングに依存しているチームは、ブロックが以前よりも大幅に速く到着するようになるため、前提条件を再確認すべきだと指摘した。
BNBチェーンは2025年、トランザクション量とユーザーアクティビティで最も活発なブロックチェーンの1つだった。オンチェーントランザクション総数ではソラナ(Solana)に次いで2位となり、2025年には約38.9億件のトランザクションが記録された。この成長は、低い手数料、積極的なパフォーマンス最適化、活発なDeFiとミームコインエコシステムの組み合わせによって推進されたという。
ブロック時間を0.45秒に短縮し、ファイナリティを約1秒程度へ近づけることを目標とすることで、フェルミはBNBチェーンをより強力な分散化保証を提供するが大幅に遅いスループットと確認速度を持つイーサリアム(Ethereum)のベースレイヤーとは異なるパフォーマンスブラケットに位置づける。イーサリアムは約12秒ごとにブロックを生成している。同時にBNBチェーンは、ソラナのような非EVM系の超高スループットライバルとは異なり、EVM互換環境を提供し続けることで、EVMエコシステムを離れることなく速度を求める開発者にアピールしているとのことだ。
フェルミは、高性能インフラストラクチャ、予測可能なレイテンシ、より重く複雑なワークロードに対応するベースレイヤーのスケーリングに焦点を当てた、BNBチェーンの2026年技術ロードマップの一部でもある。なおテストネットでは2024年11月10日に実装済みで、メインネットへの実装は1月14日午前2時30分(UTC)に行われた。
The Fermi hard fork is now live on BNB Smart Chain ✅
— BNB Chain Developers (@BNBChainDevs) January 14, 2026
Block times are now ~0.45s, fast finality has been strengthened, and additional parameter updates, improvements and bug fixes have been added. The network is running more responsively as onchain activity scales.
Thanks to… pic.twitter.com/7BGEe0qT7b