SBIグローバルAM・スターテイルら、「JPYSC」活用見据えたトークン化日本株ファンドの決済・分配PoC開始

テスト用トークンで申込決済と分配金支払いを検証

SBIグローバルアセットマネジメント、RWA(現実資産)トークン化・取引プラットフォームのデジフト(DigiFT)、ブロックチェーンインフラを開発するスターテイルグループ(Startale Group)の3社が、円建てステーブルコイン「JPYSC」の将来的な活用を見据え、トークン化された日本株ファンドの申込決済と分配金支払いに関する概念実証(PoC)を開始すると7月15日に発表した。

同PoCでは、実際のJPYSCそのものではなく、JPYSCの仕様を想定した検証用トークンを使用する。イーサリアム(Ethereum)のテストネットで、トークン化日本株ファンドの申込決済と分配金支払いの2つを検証するという。

申込決済の検証では、投資商品の申込、決済、受渡しに相当する一連の工程に検証用トークンを組み合わせる。これにより、決済リスクの低減や資本効率の向上、処理時間の短縮、24時間365日の処理可能性を検証するとのこと。

また3社は、従来は複数営業日を要する場合がある証券・ファンド取引の受渡しと決済を、将来的に秒単位で処理できる可能性についても検証するという。

分配金支払いの検証では、テストデータを用いて分配対象と分配額を設定し、スマートコントラクトで分配金を計算したうえで、対象となるウォレットへ検証用トークンを分配する。この仕組みにより、分配業務の自動化や透明性の向上、処理時間の短縮を検証するとのこと。

将来的には、受け取った分配金を再投資や送金、決済、その他のオンチェーン金融サービスで活用することも想定されている。

同PoCにおいてSBIグローバルアセットマネジメントは、日本株ファンドと資産運用に関する知見を提供する。デジフトは、シンガポールの規制枠組みに基づくトークン化証券プラットフォームの運営とRWA商品のオンチェーン化に関する知見を提供。スターテイルグループは、ブロックチェーンインフラと円建てステーブルコインに関する技術知見を活用し、検証を支援する。

なお同PoCは技術検証を目的としており、新たなサービスの提供開始を意味するものではない。実際の金融商品の募集や販売、勧誘のほか、実際の「JPYSC」を用いた決済や分配も行われないとのことだ。

JPYSCは、SBIグループとスターテイルグループが共同開発した信託型の円建てステーブルコインだ。SBI新生信託銀行が発行し、SBI VCトレードが流通を担っている。6月24日にSBI VCトレードの口座内限定で先行提供が開始されており、現時点では外部ウォレットへの出庫に対応していない。

またSBIグローバルアセットマネジメントは同日、デジフトと連携し、「SBI日本高配当株式ファンド」の既存マザーファンドを活用した私募ファンドを組成し、7月14日からパブリックブロックチェーンでトークン化を開始したと発表している。同ファンドの購入・決済には米ドル建てステーブルコイン「USDC」が利用でき、今後は「JPYSC」への対応も予定されている。今回のPoCは、この日本株ファンドのオンチェーン化と並行して進められる。

参考:プレスリリースSBIグローバルアセットマネジメント
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

SBIグローバルAMとDigiFT、日本株ファンド戦略のトークン「JX」をソラナで提供開始

SBIグローバルアセットマネジメント(SBI Global Asset Management)と、シンガポールのデジタル資産取引所デジフト(DigiFT)が、日本株の高配当戦略へオンチェーンでアクセスできるトークン「SBI日本高配当株式戦略トークン(SBI Japan High Dividend Equity Strategy Token:JX)」の提供開始を7月15日に発表した