P2P暗号資産ウォレット「バローラ」のチームがストライプに統合、ステーブルコイン活用で金融アクセス拡大へ

バローラのチームがストライプに統合

P2P(ピアツーピア)モバイル暗号資産(仮想通貨)ウォレット提供のバローラ(Valora)のチームが、米決済大手ストライプ(Stripe)に統合される予定だ。バローラが12月10日に発表した。

バローラは、スマホから暗号資産の送金・保管・利用を可能にするプロジェクトだ。今回のチーム統合は、バローラのWeb3とユーザーファーストなプロダクト開発の知見をストライプの金融インフラプラットフォームに取り込むためとのこと。具体的には、ストライプが今回のチーム統合を通じてステーブルコインや暗号資産を活用し、金融機会へのアクセス拡大を加速させる狙いがあるという。

なお、バローラ提供のアプリはストライプに統合されないとのこと。同アプリは、セロ(Celo)の開発会社cラボ(cLabs)によって開発され、4年前に同社からスピンアウトした。同アプリはバローラからcラボに移管され、今後の開発はcラボが担うとされている。

なお、ストライプはステーブルコイン関連の取り組みを強化している。同社が暗号資産VCのパラダイム(Paradigm)とともにインキュベートしているレイヤー1ブロックチェーン「テンポ(Tempo)」のパブリックテストネットが、12月9日に公開された。

テンポは、即時かつ確定的な決済処理、安定した低手数料、そしてステーブルコイン中心の利用体験を提供することを目的に設計されたブロックチェーンだ。テストネットの公開により、企業や開発者は誰でもテンポ上でアプリケーションを構築できるようになった。

また、9月30日にはストライプの子会社ブリッジ(Bridge)を通じて、企業が独自の米ドル連動型ステーブルコインを発行・管理できるプラットフォーム「オープン・イシューアンス(Open Issuance)」の提供が開始された。

同日付の「ジ・インフォメーション(The Information)」の報道によると、ストライプは米国顧客向けにステーブルコインの発行を継続できるよう、通貨監督庁(OCC)へ国家信託憲章の申請準備を進めているという。

さらに、ストライプは6月に暗号資産ウォレットインフラ提供のプリヴィー(Privy)の買収にも合意しており、開発者が自社サービス上に暗号資産ウォレット機能を組み込みやすくするためのインフラ拡充も進めている。

ちなみに、ストライプが企業向けステーブルコイン決済プラットフォーム提供のブリッジ(Bridge)の買収完了を発表したのは2月4日だ。買収額は公表されていないものの、フォーブス(Forbes)は昨年10月の報道で、両社が10億ドル(当時約1,500億円)規模で買収交渉を進めていると伝えていた。

参考:バローラ
画像:iStocks/SB・Rawpixel

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
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