ストライプとパラダイム支援のレイヤー1「Tempo」、パブリックテストネット公開

テンポがテストネットを一般公開

米決済大手ストライプ(Stripe)と暗号資産VCパラダイム(Paradigm)が共同でインキュベートするレイヤー1ブロックチェーン「テンポ(Tempo)」のパブリックテストネットが12月9日に公開された。

テンポは、即時かつ確定的な決済処理、安定した低手数料、そしてステーブルコイン中心の利用体験を提供することを目的に設計されたブロックチェーンだ。今回のテストネット公開により、企業や開発者は誰でもテンポ上でアプリケーションを構築できるようになった。

テンポには決済専用レーンが組み込まれており、NFTミントや清算処理といった他用途のトランザクションと競合しない構造となっている。これによりネットワーク混雑時でも手数料が変動しにくく、1トランザクションあたり約0.1セントという低水準の手数料を目指すという。

また取引手数料は米ドル建てステーブルコインで直接支払える。テンポにはステーブルコインおよびトークン化預金向けに最適化した分散型取引所(DEX)が内蔵されており、対応するUSD建てTIP-20ステーブルコインをガスとして利用できる。バリデーター側も受け取った手数料をプロトコル内部で自動的に交換できる仕組みだ。

送金トランザクションには、請求番号や部門コードなど、既存のERP・会計システムとの突合に利用できる「構造化メモ」を付与できる。またブロックは0.5秒未満で確定し、ビザンチン耐性(BFT)コンセンサスにより決済に必要な確定性を担保するとしている。さらにガススポンサーシップ、バッチ送金、予約送金、パスキー認証など、ウォレットや決済アプリで必要とされる機能も標準で提供される。

テンポの開発を率いるパラダイムCTOのジョージオス・コンスタントプロス(Georgios Konstantopoulos)氏は、自身のXアカウントで「ブラウザから新しいステーブルコインを作成できる」デモ動画を公開した。テンポの開発者ドキュメントでは、これらの仕組みを試すためのチュートリアルも案内されている。

テンポのクライアントソフトウェアはアパッチ(Apache)ライセンスで公開されており、誰でもノードを実行できる。現在のテストネットでは4つのバリデーターをテンポチームが運用しているが、今後はデザインパートナーやインフラ企業など独立したバリデーターを追加し、メインネットに向けて段階的にパーミッションレス化を進める計画だ。

テンポは今年9月の発表以降、アンスロピック(Anthropic)、オープンAI(OpenAI)、ドイツ銀行(Deutsche Bank)、ビザ(Visa)、レボリュート(Revolut)など多様な企業と決済ワークロードの検証を進めてきた。発表後にはマスターカード(Mastercard)、UBS、クラーナ(Klarna)なども新たにパートナーとして参加したという。

なお資金調達状況については、今年10月にテンポがシリーズAラウンドで5億ドル(約750億円)を調達したと、米メディア「フォーチュン・クリプト(Fortune Crypto)」が報じている。報道によれば、同ラウンド後のテンポの評価額は50億ドル(約7,500億円)に到達したとのことだ。

参考:テンポ
画像:iStocks/royyimzy

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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