バイナンス、共同創業者イ・ヘが共同CEOに就任

バイナンスが共同創業者イ・ヘ氏とテン氏の二重指導体制に

世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、共同創業者のイ・ヘ(Yi He)氏を共同CEO(co-CEO)に任命したことを12月3日に発表した。これにより同取引所は、リチャード・テン(Richard Teng)氏と2名体制の共同経営となる。

ヘ氏はバイナンスの幹部として長く在籍している人物だ。リンクトイン(LinkedIn)のプロフィールによれば、在籍は8年以上で、現在は最高顧客サービス責任者(Chief Customer Service Officer)を務めている。

両氏は、バイナンスのグローバル展開を拡大し、コンプライアンスを強化する方針だ。ヘ氏の共同CEO就任は、将来を見据えた基盤整備を進めつつ、事業規模を拡大していく姿勢を示すものとなる。

テン共同CEOは「バイナンス・ブロックチェーン・ウィーク」の基調講演でこの人事を発表。「ヘ氏はバイナンス発足以来、リーダーシップチームに不可欠な存在であり続けている」と述べた。

バイナンスは2023年、創業者のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao・CZ)氏が米国のマネーロンダリング関連法違反で有罪を認めたことを受け、テン氏をCEOに任命した。CZ氏は5,000万ドル(約78億円)を支払い、昨年(2024年)に約4カ月服役した。

CZ氏はカナダ国籍で、12歳まで中国で育った。ヘ氏は中国のテレビ旅行番組の元司会者である。両氏は交際関係にあり、子どももいる。

テン氏は11月、CZ氏が10月にドナルド・トランプ米大統領(Donald Trump)から恩赦を受けた後も、CZ氏が取引所に復帰するかどうかは決まっていないと述べていた。 

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Binance co-founder Yi He joins Richard Teng in dual leadership structure
(Reporting by Rishabh Jaiswal and Mrinmay Dey in Bengaluru; Editing by Janane Venkatraman)
参考:バイナンス
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Aleksei_Derin

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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